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21-もう二学期!文化祭です!b

その日、俺は巽が先生やってる女子高の文化祭に遊びにいった。 巽が「暇なら来るか」って言ったから。 案内するって言ってくれたから。 「センセ、早くワタシのクラス来てください」 「ううん、午後から盛り上がるのはコッチ」 「うそー午後はマィのクラスに一番に来るって約束ですよね?」 待ち合わせ場所の正面玄関に五分早く来ていた俺の元にやってきたのは巽一人じゃなかった。 「「「このコ誰ですか?」」」 「俺の弟だ」 このパターン、前にもあった。 ていうかおんなじ面子じゃない? 「……コンニチハ、弟デス」 「えー似てなーい」 「うそー」 「あ、でも前に見かけた妹のコとはスゴく似てる」 そりゃーそーでしょ、だって同一人物だもん。 つーかなんで巽にべたべたしてんの、本物女子。 つーかなんで巽もべたべた許してんの。 「じゃあ行くか、コーイチ」 え? 女子同伴で案内、ですか? 聞いてない、聞いてないよ、巽? その日の夕方、じゃなくて、夜。 「ただいま」 夕方には帰れると言っていた巽が帰宅したのは七時過ぎ。 合鍵で巽んちにお邪魔していた俺は買ったばっかのハンドミラー越しに「おかえり」って出迎えた。 「悪い、遅くなった」 「んー。打ち上げとかに付き合ってた?」 「ああ」 あのかわいい本物女子と今まで一緒だったのかなぁ。 ぬりぬりぬりぬり 「お前、女装してんだな」 「んー。なんとなく」 ながーく感じられた女子同伴の案内が済んだかと思えば、巽、用事があるからって俺のこと放置した。 二人で回る時間なんて十分もなかった。 巽がいなくなって一人になった俺はすぐに女子高を出て、特に必要でもなかった服やらコスメやら衝動買いして、巽んちに帰って、買ったばっかの服着てメークして女装して。 テレビを見つつ秋冬新色のグロスを暇つぶしにぬりぬりしていた。

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