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32-17
緒方宅から車を三十分走らせた先に巽の住むマンションはあった。
「ちょ、待って……待ってよぉ、二人とも……」
部屋に到着するなりベッドへエスコートされたコーイチ。
マフラーだけ外して、上下の服をちゃんと脱がせるのもそこそこに、急な拉致におろおろしている彼に一気に迫った緒方兄弟。
「禁欲解禁宣言、しただろ」
コットンのイージーパンツを下着もろともずり下ろした巽、暖房を点けたばかりで冷たい空気に股間をモロ出しされ、恥ずかしさと寒さでブルッと震えたコーイチに上目遣いに笑いかけた。
「っ……ぇぇぇ、んな、いきなり……っつぅかあれ肉まんの話だしっ、解禁宣言にもってくなんて強引すぎっ、むりありすぎ!」
「ん……」
「っ、こっちの話聞けぇ、初っ端からフェラすんなぁ~~……っ、っ……マジ、そんな強く吸っちゃだめだって……っひぃん……っぅひゃっっ!?」
自分を羽交い絞めにしていた緒方の両手が急にトレーナー下に潜り込んできて、冷たい掌にコーイチはまた一段とブルリした。
「コーイチ、てめぇ」
「つめたっ、冷たぃぃっ、腹揉むなぁ……っ」
「ちょっと太ったか?」
はあっっっ!?
「ああ、確かに。前より肉ついた感じするな」
「肉まん二つ食おうとしてたもんな、正月太りかよ、ちゃんと勉強してんのか」
「受験生の危機感忘れてねぇか」
こ……っこいつらっ……こいつらーーーーーっっっ!!
「か、帰るっ、帰るーーーーーッッ、ッ、あ、あっ、ぁっ、ゃっ……!!」
巽の唇に深く咥え込まれて、トレーナーの内側で冷えた指に乳首をクニクニと捏ね繰られて、コーイチは身を捩った。
「帰さねぇぞコーイチ」
唾液で満遍なく温めたペニスをゆっくりしごきながら自分の体上を這い上がってきた巽に至近距離から脅される。
「お前に禁欲宣言されてからこちとら溜まってんだよ、責任とれよ、なぁ」
両方の突起をぷにぷにいぢくる緒方が意地悪な囁きを耳孔に滴らせてくる。
二人の狭間でコーイチは駄々をこねるように頻りに身をくねらせた。
勝手知ったる風に自分の体に愛撫を繰り返す緒方兄弟に声を振り絞った。
「おれぇ……性処理係じゃねーもん……っお手軽便利なセフレじゃねーもん……っ禁欲宣言したら、メール一つもくんねーしっ……もうやだっ……こんなことしたくないっっっ」
「俺はお前とセックスしたくて堪らなかったがな」
「ッ……や……したくなぃ……巽さんとなんか、もうしなぃ……ッ」
「こっちは禁欲宣言に忠実になってただけだ、会いに行けばこんな風に、な……歯止めが効かなくなるって十分にわかってたから」
欲張りな長い指が閉ざされがちなえろアナルをゆっくりなぞった。
「でも会ったからには、な、責任とってもらわねぇと」
「っ、さ、わ、ん、な、ぁ!」
「いいだろ、コーイチ……ずっと我慢してたんだぞ、待てのご褒美くれるだろ……?」
「ぃっ……いれんなぁ、指ぃ……っ動かすなぁ~~……っあっあっあっ……!」
「女装してなくても可愛いのな、お前」
「っ……っ……っ……おれのこと……忘れてなかった……?」
「忘れるわけねぇだろうが」
久し振りにヌプヌプ指ピストンされて火照りかけていたコーイチは。
背後からずっと自分を抱きしめている緒方をぎこちなく仰ぎ見た。
「緒方も……? 俺と会ったら、シたくなっから、俺のこと避けてた……? 俺と別れたりしない……よね……?」
うるうるおめめでじっと見つめられてギリッと鳴った緒方の奥歯。
返事をしないで、おらおら高校生君は、一番大事なクラスメートにキスをした。
ずっと欲しがっていた微熱を貪った。
「あっ、あっ、緒方ぁっ、巽ひゃっ、あぅっ……ああん……っ」
緒方に背面座位でアナル奥をグリグリ小突かれながら巽にたっぷりフェラされる。
「ン……すげぇ締まってる、お前の奥……クソ生意気……ッ」
「っ……緒方の、ちんぽだって……っすっごぃかたぃぃ……っちんぽ生意気……ッ緒方のクソエロちんぽ……ッ」
「ッ……うるせぇ、クソエロ淫乱」
両乳首をきゅっと摘み上げられ、クイクイ引っ張られて、コーイチは堪らず仰け反った。
「い……っいきそ、いっちゃぅ、ぅ……っ緒方、ぁ……っ」
キツイ体勢ながらもコーイチは激しく腰を突き動かす緒方を仰ぎ見、いつにもまして険しげな眼差しとぶつかって全身ゾクゾクさせた。
「緒方ぁ……っ大学行っても、離れ離れになっても……おれ……っおれ……っんーーーー……っ」
巽に甲斐甲斐しく吸い上げられてコーイチの台詞は途切れ、緒方の眉間の縦皺はさらに増えた。
アナル奥の窄まりに射精寸前のペニスをグリグリゴリゴリ押しつけ、迫る絶頂感に熱いため息を洩らし、自分よりも細身で華奢なコーイチを改めて抱きしめた。
「離れても……ッ……好きだからな、コーイチ……」
緒方、緒方ぁぁぁあ。
俺も好き。
素直な緒方、すっげぇ、好き。
素直じゃなくても、うん、好き。
先生になるの応援してっから、ね。
「お前と離れてる間は俺がコーイチの面倒全力で見てやる、だから安心しろ」
「安心できるか……ッお前も同じ大学来いよ、バカッ」
「俺むりぃっ、おばかだもん……っ、あ~~~ッッ、乳首とれひゃっっ、ちんぽとれひゃぅよーーーーー……ッッ!!!!」
どーにもこーにも緒方兄弟に愛され過多なコーイチなのであった。
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