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25-パラレル番外編★孕んじゃう後日談b
「こっこっ小市ぃぃーーーーーー!」
俺は撮影しようと掲げていたはずのスマホをぶんぶん振り回して絶叫した。
「いけいけーーー! わぁぁぁッ! 小市すげぇぇぇッ!」
幼稚園の運動会。
年長さんかけっこで小市、一位になりました、すごいよすごいよ、さすが俺と巽のこどもだよぉぉぉ!
「コーイチ」
保護者テントで周囲のどの親よりもテンション上がってぴょんぴょん飛び回っていた俺、はたと我に返った。
隣を見れば日曜日で部活指導もなく久し振りに幼稚園行事に参加した巽が冷静な眼差しでこっちを見下ろしていた。
あ。
俺、うるさかった?
おやばか丸出しだった?
ちょっとイタかった……かな?
「テヘヘ……うるさかった?」
冷静にデジカメ撮影していた巽は首を左右に振るとその場で屈んで、あ、シュシュ落ちてた、はしゃぎ過ぎて外れたんだ、気づかなかった。
デジカメを黒ジャージのポケットに仕舞った巽、乱れた髪を俺より丁寧に結んでくれた。
巽に髪結んでもらうの、何気に久し振りだぁ、しかも他のパパママがいっぱいいる中で、テヘヘ、照れちゃうなぁ~。
「いちゃつくなー」
「あ、小市! 一位おめでとー!」
「たつみ(*´∇`*)」
「よく頑張ったな、小市」
「(*´∇`*)」
「俺もっ、俺も感動の輪に混ぜてよ~!」
巽にくっついた小市の背中に抱きついた俺、膨れっ面で嫌がられても離さないもんねーだ。
さー、ドキドキハラハラな小市のかけっこが終わって、同じくらい楽しみにしてたアレがいよいよ始まっちゃいますよ。
そうです、保護者リレーです。
俺のダンナ様、アンカーです。
現役体育教師だもん、日頃ドリブルだむだむしてるもん、黒ジャーが様になってるもん。
期待を裏切らずに、巽、一位になりました。
巽にバトン渡るまで最下位だったのが、いも抜き? にんじん抜き? あ、ごぼう抜き! 一気に追い抜いて無駄に劇的にゴール決めました。
なにこのダンナ様惚れ直す。
なんでこんなかっこいいの。
「緒方さんの旦那様ステキですね」
「スタイルもいいし。ウチのなんか、もうお腹出てきちゃって」
これまで幼稚園バザーなんかで一緒の担当だったママさんにしみじみ言われて「ですよねー」とつい答えそうになった、危ねー危ねー、それはさすがにイタ過ぎだろ。
自分が一位になったときより喜んでいる小市を抱っこして俺んとこに戻ってきた巽。
「たつみーえらいえらい、おれとおそろい、いちばん、よしよし」
「褒めてくれんのか、小市。ありがとな」
なにこの二人、抱きしめてぇ。
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