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27-パラレル番外編★狼擬人化な御主人サマ!?

然るお屋敷で最年少使用人としてコーイチは働いていた。 暇を持て余した奥様に色目を使われ、豊満ボディにぐらりときたものの、主への忠誠を誓って魅力的色仕掛けを寸でのところでかわしたものの。 プライドを傷つけられた奥様から「この使用人は私を襲おうとした」と逆に騒ぎ立てられて。 結果、忠誠を誓った相手であるご主人様から屋敷を追い出された。 あーあ。 こんなことになるなら奥様とイイ関係になってりゃーよかった。 じゃなくて。 これからどうしよう。 貯金なんかねーし、孤児院でいっしょに過ごした友達ともバラバラになったし。 行くところがない。 石畳の町を彷徨っていたコーイチ、気が付けば人気のない墓地のそばまでやってきていた。 今宵は満月。 ひんやり冷たい風が吹き抜け、枯れた木々が世にも淋しげな音を立て、どこからともなく聞こえてくる猫の嬌声、不気味に漂う夜霧。 今夜の寝床を当てもなく探していたコーイチだが、不気味極まりない界隈で床につくのはさすがに勘弁、くるりと回れ右しようとした。 急に夜霧が引き波の如く音もなく退いたかと思えば目の前に……繊細な装飾の施された立派な黒塗りの門扉が現れた。 でっけぇ門、ってことはこの奥にお屋敷があんのか、きっと立派な家なんだろーな、でも墓地の隣なんて物騒……っていうより不吉? ん、何か張り紙がある、なになに? ん!? 住み込み使用人募集中!! マジか!! コーイチは荷物を詰め込んだ小さなカバン一つを思わず掻き抱いて張り紙に釘付けになった。 「こんな町外れに住んでるなんてよっぽどの変わりモンかも、でも行くとこないしな~、贅沢言ってらんないよな~」 でもこんな時間帯に行くって非常識だよな? あ、夜間でも面接可って書いてある、へ~、やっぱ変わりモンだ。 うん、生きてくためだ! 行ってみよっと! ……って。 こんなボロボロの格好じゃあ、あんまりかな?

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