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「今日もいい食べっぷりですね」 広々としたキッチンの片隅、大皿に大雑把に盛り付けた肉塊をガツガツ食べる狼ご主人様にコーイチは惚れ惚れしている。 ちなみに彼が着用するメイド服スカート裾は斬新ビリビリ仕様となっている、以前、巽に咬み千切られたのだ、おかげで悩ましげな絶対領域がいつもお披露目されていた。 はぁ、昨日もすごかったなぁ、ご主人様。 月に一度の満月の夜、人間の姿になったときは必ず……うん、すごいことになる。 『も、俺の腰、バカになっちゃぅよぉ……!』 『限界までバカにしてやる、エロコーイチ』 『え……っエロじゃねーもん! ご主人様のせいで、俺、こんな……っううう……俺、こんなんじゃなかったのにぃ……!』 『お前自身も知らないお前、もっと開花させてやる、太陽が昇るまでにな』 これ以上開花されたらドえらいことになりますよ、俺。 偽メイドコーイチのお仕事はもっぱら屋敷の掃除だ。 立派な屋敷内、一階、二階、毎日隈なくお掃除し、だだっ広い庭園の水遣り、洗濯、買い出し、あっという間に一日が過ぎる。 前回の満月の夜から半月経過、つまり次の満月まで残り半月、中間地点なる時期にて。 昼、二階奥の広間の窓拭きをしていたコーイチの手がぱたりと止まった。 「……はぁ……」 一階大広間の窓辺で日向ぼっこしているだろう狼ご主人様な巽のことを思い、小さく項垂れる。 「もーー……マジでご主人様のせいだよ、俺、こんな性欲旺盛じゃなかったのにぃ」

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