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窓ガラスを額で何度か小突いたコーイチ、意味深なため息をもう一度洩らした。
「はぁ…………」
重厚感漂うインテリアがずらりと並んだ部屋。
ひんやりした空気。
だけど肌の内側は妙に熱せられて、半月前の一夜が脳裏にやたらちらついて、お掃除にろくに集中できない。
前の屋敷では豊満ボディの奥様に誘惑されても、まぁ寸でのところで男の性を堪えてかわしたコーイチだったが、今回はすっかり呑まれてしまっていた。
『最高のメインディッシュだな』
狼ご主人様な巽の虜になっていた。
「ちょ、ちょっとだけ……すぐ済ませまーす……」
部屋の隅っこでもぞもぞし始めたコーイチ。
高価な絨毯が敷かれた床に座り込み、ギザギザ裾をさらに捲り上げ、ごめんなさいと心の中で謝りながら……これまた着用を命じられていた女物ランジェリーの中に手を。
「ン」
すでに半勃ちだった偽メイドペニスをシコシコ、シコシコ、おっぱじめた。
「あ、やば……きもちい……」
もどかしげに壁に頭を擦らせ、足を左右に開いたり閉じたり、落ち着きない様子ながらも、こっそり一人えっちに夢中になった。
「んっんっ……んーーー……っ」
頭の中に思い描くのは、半月前の夜、自分を余すことなく嬉々として平らげたご主人様。
奥の奥にまで熱いモノを何度も何度も打ちつけてきた……。
「あ……はぁ……ご主人様ぁ……」
「グルルルル」
切なげに眉根を寄せて瞼を閉ざしていたコーイチはぱちりと目を開けた。
閉め忘れていた扉の細い隙間からするりと音もなく侵入して目の前まで迫っていた狼ご主人様の鋭いおめめと、ばっちり、目が合った。
「うっ、ン、ぎゃあぁああーーー……!!」
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