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「あ、あわわわわ、エヘ、エヘヘ、緒方、あの、あのね」 「へらへらすんな、きもちわりぃ」 巽の逞しい両腕に抱きしめられたままのコーイチ。 ドア前に立つマスクをした緒方にぶっきらぼうに台詞を遮られて硬直した。 お、怒ってる、緒方、怒ってる。 そりゃそーだよね、当然だよね。 だってお兄さんにチンコしごかれていっちゃったんだもん、そりゃー怒るよ!! 土曜の午前中、混雑する総合病院外来に行ってきたばかりの緒方はマスクを顎に追いやると。 ベッドで未だ巽にほぼ抱っこされているコーイチの元へ大股でやってきた。 やばい、これ、殴られる。 うん、殴られるの、しゃーない。 俺、潔く緒方に殴られよう。 大の大人に過激に悪戯されてしまった女子高生みたいな成りのコーイチはぎゅっと目を閉じた。 が、緒方は、自分の兄にDKペニスをしごかれて「もっといぢめてーいっちゃぅー」とよさげに鳴いて達したコーイチを殴りはしなかった。 代わりに制裁のキスを。 風邪が伝染しても知るか、そんな自己中ぶりをあからさまにし、火照った舌で温んでいた口内をぶちゃぶちゃ引っ掻き回した。 殴られず、のっけから過激なキスをされ、コーイチはさらにぎゅうっと目を閉じる。 ずっと掴んでいた巽の腕を手放し、緒方が着ていたアウターをきゅうっと握り締める。 クラスメートの女装男子とキスしながら、緒方は、兄の巽をじろっと睨んだ。 弟からの「これは俺のモン」アピールに巽は不敵に笑ってみせる。 この瞬間に、おらおら兄弟のえろバトルが幕を開けたのだった……。

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