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金曜の放課後、体育祭が終了してクラスメートの半数が参加した打ち上げ。
「あ、来た来た、緒方!」
とっとと女装から脱し、焼肉食べ放題の店でラーメンをかっ込んでいたコーイチは「ごふっ」と喉を詰まらせた。
部活に出、他の運動部員と共に遅れてやってきた緒方を恐る恐る横目で窺ってみれば。
明らかに自分を探していた友達とバッチリ目が合った。
「コーイチ君?」
隣でスイーツの杏仁豆腐を食べていた三里の肩に慌てて顔を伏せ、あからさまに拒絶、こっち来んなアピール。
体育祭後にいつも通りの練習メニューをこなし、疲労一つ滲ませるでもない緒方は眉根を寄せつつも。
団体向けのロング席、端っこにいるコーイチからやや離れた席に着いた。
……あ、よかった。
……だって、今、どんな顔して緒方と接したらいいのか。
『もっと……先……強く』
緒方って、あんな声出すんだ、えっちのとき。
いつもより低めっつーか。
掠れ気味っつーか。
ややややらし!!!!
「緒方君と何かあったの?」
コーイチは咀嚼するのも忘れてメンマをゴクリと呑み込んだ。
「いつもならすぐコーイチ君の隣に来るのに。体育祭終わった後も余所余所しかったっていうか」
シコり合ったとか言えるわけねーし。
は、は、初キス奪われちゃったとか情けなさ過ぎて黒歴史ブッチギリだし。
「俺ラーメンおかわりしてくるっ」
大体何でも打ち明けてきた幼馴染みの三里にも言えない秘密を持ってしまったコーイチなのだった。
あれはいわゆる気の迷いってやつ、だ。
見慣れない俺の女装に緒方は興奮しちゃって、俺は俺でギンギンなデカチン握らされてシコらされて気が動転して、うん、思春期のせい、いろいろこんがらがってお互い仕方なく勃っちゃったんだ。
月曜からは普通にしよう。
何にもなかったことにしてこれまで通り友達に戻ろう。
だ、だから……月曜まで限定で……ごめん、緒方とのシコり合い、オカズにします……っ。
「あーーー……」
打ち上げ後、帰宅してお風呂に入り、真夜中、ベッドに横向きになったコーイチはおなにーに夢中になっていた。
緒方の手、でっかくて、やっぱ自分でシコんのとは全然違くて。
すんげー……きもちよかった。
『まただすのかよ、お前……』
『ぅぅぅ……っでちゃぅ……っ』
ぶっちゃけ二回いった。
緒方がっ?あいつがしつこくするからっ?童貞だからっ?仕方ねーじゃんっ?
明かりを消した部屋の中、ベッドの上で頻りに細い腰を波打たせ、せっせと利き手を動かす。
スタンバイしたティッシュを握りしめて、ぎゅっと目を閉じ、不埒な回想に溺れる。
『腰揺れてんな……スケべ』
緒方、緒方ぁ……緒方のデカチンすごかった……いくとき……ブルブルって……俺の手の中で生き物みたいに跳ねたぁ……。
『ッ……はぁ……っ』
いくときの声、えろかったぁ。
えろくてかっこよかったぁ。
「ん……っん……っ」
半ズボンとボクサーパンツをずり下ろし、片頬をクッションに押しつけ、コーイチは胸底をジンジン焦げつかせた。
思わず呼号しそうになる友達の名前を必死になって喉奥で押し殺して、ひたすら、思春期の坩堝に落っこちた……。
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