67 / 241
15-2
「上カルビうまいよー!」
「お前、服にタレ飛んでるぞ」
「あ、ほんとだー!まー洗濯すればとれるし!うまーい!」
「そういうとこは野郎だな」
「特上カルビうますぎ!」
巽が皿に乗せてくれた肉をばくばく食べる。
お肉がイイのもあるけど、きっと巽の焼き方が上手だからこんなすげーおいしーんだよね!
「これからどうする。車停めてるから遠出でもいいが」
「遠出もいいけど、俺、買い物がしたいっす!」
「わかった」
巽と買い物、久し振りだ。
先月はぜんっぜん何にも買ってないから、今月はちょっと奮発して色々買いたいな、靴いっちゃおーかな、かわいーのほしい!
よって焼肉屋を後にした俺と巽、焼肉臭をプンプンさせながら裏通りにある靴屋さんへ。
欲しいモノをいくつか絞って、行ったり来たり、店内ウロウロ、んでとりあえず一番気になったのを選んで履いてみる。
うーん、やっぱちょっとヒール高ぇ、色もカタチもいーんだけどさすがに歩きづれぇ。
「足首のシルエット、すごくきれいに見えますよー」
「あ、はぁ、えっと、他のも履いてみたいんですけど、あー、どれだったかなー」
店員さんを隣にして鏡の前に立っていた俺、きょろきょろしていたら。
「あっ」
正に二番目に気になっていたヤツを巽が無言で持ってきてくれた。
この人、どんだけ俺のこと見てくれてるんだろ。
「コレかわいーね」って言っても「さぁ」って、素っ気なく済ませてるくせにさ。
「履かねぇのか」
「あ!履きますっ履かせて頂きますっ!」
「履くときぱんつ見えそうだぞ、お前」
「え゛!」
ともだちにシェアしよう!