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次の日もその次の日も。
「クンクン!?」
巽のジャージからは香水の香り。
それに帰宅時間がちょっとずつ遅くなって、今日なんかは八時過ぎに帰ってきやがった。
「おなかへったー」
「悪いな、小市、おみやげの歌舞伎揚げだ」
「わーい(*´∇`*)」
「ちょ……ッごはん前に小市に歌舞伎揚げやんないで、巽さんッ」
ジャージから香水の匂いしやがるし、ごはん前に勝手にお菓子やるし、俺には謝んねーし。
「巽さん、なんで遅かったの?」
「道が混んでた」
帰宅が遅い理由はその一点張り。
ちなみに……香水については聞いてないです、なんか……怖ぇから。
「クンクンクンクン」
ふんわり甘く爽やかでお上品なフローラルの香り。
まさか巽……う、う、う、浮気してるんじゃ。
「クンクンクンクン!?」
この香り、女子高生がつけるにしては大人っぽいカンジがする、生徒からの移り香ってわけでもなさそ、いやいやいやいや、なんで匂い移るねん!? それもそれで大問題やないかーい!
なんかこう、OLとか、働く大人女子がつけてますよ~みたいな。
ぴったりぴちぴちなタイトスカートが似合う、太腿フェチな巽を唸らせる、エロボディ女子がつけてますよ~みたいな……。
やばい、俺、ドツボにはまってね?
「コーイチ、何してんだ」
「あっ、今行く!」
洗濯機前で我ながら変態くさいと思いつつ巽のジャージに鼻を突っ込んで頭ん中疑惑塗れになっていた俺。
やっぱ、あれかな。
女装男子よりガチ女子の方が……よかったりして……。
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