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なんかてんぱって「バーーーカ!」って言っちゃったんですけど。 それに、めんどくさいんですけど、宣伝係。 プラカード持って校内回って宣伝とか、別にただの休憩所なのに、ヤル気ねーのに、打ち上げにしか本気出さないダメダメ連中ばっかなのに、ウチのクラス。 三里はどっか行っちゃうし。 緒方は元カノとらぶらぶ、ぶらぶらしてるみてーだし……てか今カノなの? 元サヤとか、あんまそんなパターン今までなかったんですけど? ぼっち、さみしーんですけど。 もうウチ帰ってマンガ読みながら寝たいんですけど。 「ねーねー、そのクラスってどこにあるの?」 文化祭企画委員からプラカードを持たされて宣伝係を押しつけられていたコーイチはキョトンした。 渡り廊下で年上と思しき私服姿の男三人に呼び止められて、説明しようとすれば、ぐいっと腕をとられて「案内してよ」と強請られた。 「えーと、こっちです」 「君さ、制服違うけど。ココのコ?」 なんか近いな。力強ぇし。歩きにくっ。 「コレ食べる?」 「あっ食べる!」 校内で販売されていた手作りマフィンを翳されてアホのコさながらに飛びつこうとしたコーイチだったが。 「ホイホイ餌付けされてんじゃねぇぞ、コーイチ」 元カノだか今カノだかわからない本物女子高生を連れた、何故だか凄まじく不機嫌そうなツラをした緒方が、いつの間にやら真後ろに立っていた……。 「いッいだぃッ腕ちぎれるッ引っこ抜ける~~ッ」 「うるせぇ、これくらいで千切れるか、バカ」 「っ……バーーーーカ!!」 軽薄そうな三人組からコーイチを引き剥がし、親しげにくっついていた女子高生を置き去りにして緒方が向かった先は体育館棟だった。 ライブの準備で生徒の行き来がちらほらある通路を足早に進み、そのままバスケ部のロッカールームへ。 「バーーーーカ!!」 バカバカうるさいコーイチを引き摺り込むと自分の練習着を女装男子目掛けてブン投げた。 「着替えろ」 「はあっ?」 「悪目立ちしやがって」 なっなっなんだよーーー! 「誰がこんな汗くせーの着るか!」 「教室だと人多くて制服に着替えれねぇだろ。早くソレ脱いで着ろ」 「いーやーだ!!」 いきなり拉致されたかと思えば「着替えろ」と命令されてムキになって嫌がるコーイチに、緒方は、節くれ立った指の関節をパキポキ鳴らした。 「仕方ねぇな、脱がしてやる」 コーイチの顔色がさーーーーっと悪くなった。 「ほ、ほんとむりだって、勘弁、緒方」

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