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緒方のスマホに電話の着信が入った瞬間、コーイチは恐ろしくてんぱった。
「うわぁっ、か、帰ってくんじゃね!? もう近くまで来てんのかも!! つぅかもうドアの前にいるんじゃね!?」
そこは緒方の部屋だった。
浴室から移動し、自分はボクサーパンツ一丁、コーイチには彼自身のモッズコートを寒くないよう裸身に羽織らせていた男前男子は恐ろしく仏頂面になる。
「まだ夕方前だろ、そんなすぐに帰ってくるか」
ベッドでイチャついていたところを邪魔され、コーイチがぎゃーすかてんぱってムードはブチ壊し、肩を竦めてショルダーバッグの中からスマホを取り出した。
「もしもし」
あぐらをかいた緒方の隣でコーイチは不安げに様子を窺う。
母親からの電話を手短に済ませて通話を切った緒方は、お風呂に入ってメークがやや崩れ、目尻がうっすら黒く滲んでいる双眸を見返した。
「向こうに泊まってくるだと」
緒方は自分のすぐそばに座り込むコーイチの頭を撫でた。
「お前はウチに泊まってくよな?」
今日、緒方の家族帰ってこねーの?
今日、緒方んちにお泊まりできんの?
今日、緒方とずっといっしょにいれんの?
それって、なんか、すっげぇ、
「最高の冬休みだよな」
大好きなでっかい掌にヨシヨシされて、自分と同じ気持ちを抱いてくれたことが嬉しくて、コーイチは素直に「うんっ」と照れ笑いしつつ頷いた……。
「ううぅぅ……やっぱ緒方のくそすけべぇ……っ」
「さっきちゃんと洗っただろ、イイ匂いする」
「そっ、そんなトコかぐなぁ……っ」
まだ明るい日の光が無造作に閉められたカーテンの隙間に滲んでいる。
ベッドの上、半ば強制的に緒方の上に逆向きに跨らされて、不慣れ過ぎる恥ずかしい体勢にコーイチは呻吟しっぱなしだ。
これって、あれだ、シックスナインみたいじゃ……。
「っ、ちょ、うわっ、緒方!?」
モッズコートの裾から覗いていたお尻を、むに、と掴まれるなり左右に、ぐに、と拡げられてコーイチは仰天した。
「そんなしたら丸見えなるっ!」
「丸見えにしてんだよ」
「やーめーろ!!」
「俺の上で暴れんじゃねぇ」
「もうやだっ、これやだっ、緒方にぜんぶ見えちゃうじゃん、しぬっ……っ……ぇぇぇっ……緒方、なにやって……」
緒方にアソコを一舐めされた。
未体験の何とも言えない刺激にコーイチはブルブルゾクゾク。
浴室でいぢられてぷっくり盛り上がったコーイチのアソコを緒方は平然と舐め続ける。
唾液をすり込むように、念入りに、しつこく、ヤラシク。
「あ……っん……緒方の変態ぃっ……お尻舐めるなんて、ぇ……っ……ひゃ、ぁ、ぁ、あ……そんなぁ……っうそでしょ……」
細く尖らされた舌先を捻じ込まれて。
内壁まで舐め上げられた。
ぶっちゃけ誇らしくて堪らなかった同級生の緒方によるご奉仕にコーイチは目を回しそうになった。
緒方が俺のお尻舐めてる。
恥ずかしくて余裕でしぬ。
でも、どうしよ、すっげぇイイ。
またチンコたっちゃう。
あ、あ、そんなナカまで……はげしっ……男前で頭よくて頭ちっさくてバスケもできて、その上えろいことも上手って……俺の緒方どんだけなんだよ……!!
「あ」
甲斐甲斐しいご奉仕にクラクラしていたコーイチは緒方の昂ぶりに気がついて、ゴクリ、思わず喉を鳴らした。
本日まだ一度も絶頂を迎えていない、ボクサーパンツの内側で逞しく張り詰めた、彼の熱源。
おっかなびっくり触れてみればカチコチなる手応えが。
「おい、コーイチ……無理すんな」
「っ……緒方に言われたくねーもん……俺だって、緒方のこと……労いたいもん」
「……労うとか、そんな難しい言葉、よく知ってたな」
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