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「あ、あれ……ちょっと、センセイってば……」
シャツワンピの下に潜り込んできた、でっかい両手。
力強い掌に太腿をむぎゅむぎゅ、された。
「い、痛い……」
「だから、この一年間、お前にちゃんと触ることができなかった。手を繋ぐのだって相当精神を削ってきたんだからな。泊まらせたときも、どれだけ自分を抑え込んだことか」
「ッ……ガマンしてたの? センセイ、俺に触りたかった? センセイもチューしたかった……?」
「したかったさ」
腰に抱きついてきたセンセイに、俺は……またしても心臓がまろび出そうになった。
「お前はまだまだガキくさい。せめて卒業するまで待とうと思った。もう少し体が大きくなるまで……な」
長い鼻先をお腹に押しつけられる。
「俺をココに受け入れさせるにはまだ酷だろうと自重していた」
「受け入れ? はい? 何をどこに?」
「下手したら壊しかねない」
「壊すって? どーいうこと?」
「でもお前にあんなことをされて、自重を続けるなんて。化け犬が廃る、据え膳喰わぬは化け犬の恥だよな」
逞しい両腕に腰をがっちりホールドされて、ダイレクトに伝わってきたムキムキっぷりに焦っていた俺はパチパチ瞬きした。
センセイは爛々と光る目で俺を見上げる。
ケダモノ感満載の目つきで。
「今日、交尾するぞ、コーイチ」
こ・う・び。
「え、やだ」
「は?」
「やだやだ、むりむり」
「……でかくなった体格に怯むのはわかる、そこはもちろん全身全霊でカバーする」
「ちがくて、俺、元々そんなつもりじゃなかったし」
「……スケベな下着を俺に見せて誘っていたようにしか思えなかったが、それは俺の勘違いか」
「勘違いです!!!!」
ぬ、抜け出せない、この両腕ムキムキ過ぎて解けもしない!!
「俺は!! チューしたかっただけ!! センセイと初キスがしたかっただけ!!」
「わざわざこんなスケベな下着を掃いてきてキスだけか」
「悪いか!! 単なるムードづくりだもんッ……んな、本番とか考えてなかったし……ちょ……センセイってば……上に来んなぁ……」
ソファにごろんと仰向けにされた。
真上にやってきたセンセイに見下ろされる。
ケダモノめいた吐息が顔中にかかって、全身がどっきんどっきんした。
「俺の全身全霊でもってその気にさせてやる」
ほっぺたを舐められた。
長くて厚くて太い舌に。
「ふぇぇ」
「あんなことしなきゃあ、な。これまで通りの生温い夜を過ごせただろうに」
「今すぐ着替えてくる……萎えるパンツ掃いてくる……」
「今更何したって、もう萎えねぇぞ……おら、念願だったキスしてやる」
「んぶぶっ……こんなんっ……チューじゃな……っ……んぷ……ぅ……!」
唇まで、べろんべろん、された。
こんな初キス喪失ありえないです。
ケダモノ感ありすぎて、なんかもう、食べらてれる気分です。
それなのに。
「ん、ぶ……っ……んん……ふ……っ……ぅぅ……ン、ん、ん……っ」
ぬるぬるした大きな舌で口の中までぬるぬるのびちゃびちゃにされて、どっちのほっぺたもべろんべろん舐められて、また口の中をしつこく舐め回されて。
あっという間に、どうしようもなく……エッチな気分になってきた。
このケダモノキスやばいーーー……!!
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