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6-3
「……んはぁぁ……きて、る……おにいちゃんのせぇし……三里に……ンっ……っ」
三里はふにゃっと笑った。
手繰り寄せていたシーツを解放して、自分のお腹を、なでなでする。
「……ん……僕……おにいちゃんの弟でよかった……妹じゃなくて……よかった」
女だったら、こんなこと、できないでしょ?
おにいちゃんのせぇし、もらえないもんね?
「僕……男だから……好きなだけもらえる……」
腹の底から冷めてもいいはずの台詞に。
阿南の欲情はさらに増す。
自分を欲する弟に同調してしまう。
阿南の動きに合わせてベッドが揺れる。
「おにぃちゃぁぁん……っ好きぃ……三里ぉ、これ好きぃぃ……っっ」
片足を持ち上げられた背面側位でアナルを掻き回されて、三里は、涎を垂らして感じまくった。
中で出された精液が絡んで、ぬかるみ、奥まで擦り上げられる。
「やんっ、っこんなの……っぃきまくっちゃぅ……っせぃぇきとまんなぃ……っんむ」
あんまりにも派手に喘ぐので阿南は三里の唇を塞いだ。
三里はすぐに舌を差し出してきた。
歯を立てないよう注意して、動きながら、舌先をねっとり結びつけた。
「ふぅぅんぅ……おにいちゃ……また種付けしてぇ…………三里に…………せぇしらしてぇ……」
青筋をくっきり立てて脈打つ肉棒を搾るように、三里のなかが、また締まる。
「おにいちゃんのぜぇんぶ……三里のものだから……」
阿南は三里の乳首をぎゅっと抓った。
三里はぽろっと涙を零して、甘えるように鳴く。
……昔は泣き止ませるために抱いていたのにな。
「……射精すぞ、三里」
「っきてぇ……っ三里に種付けしてぇ……おにぃちゃぁぁん……」
三里は精液で濡れそぼつ自身を震わせ、加速した阿南のリズムにぐっと唇を噛み、再び体奥に精液を叩きつけられる悦びを待ち望んだ……。
ベッドで腹這いのままコーヒーを飲もうとしたら兄に注意され、三里は、もぞもぞとシーツの上に座り込んだ。
「ちゃんと家には伝えてるのか」
「うん、お兄ちゃんちに泊まりにいくって……あちち」
淹れたばかりのコーヒーの熱さに三里は目を白黒させ、隣に座る阿南に勢いよく顔を向けた。
甘やかしているとわかっていながらも、阿南は、自分の唇で弟の唇を冷ましてやる。
「ん……お兄ちゃん、口移しで冷ましてから僕に飲ませて」
「……甘えすぎだ、三里」
やんわり断られた三里は両手で持ったカップを意味深に見下ろして、また、兄に言う。
「じゃあ、コーヒーの隠し味にお兄ちゃんの――」
「ばか、無理だ、ばか」
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