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14-けーきぷれい

「こんにちは、阿南先生」 日曜日の昼下がり、阿南の部屋へ三里がやってきた。 「これ、ケーキです、コーヒーと一緒に食べましょう」 「……」 ケーキの箱を無表情で掲げてみせた三里を阿南はじっと見つめる。 三里の片方の頬が不自然に腫れている。 赤というより、青味がかっていて。 明らかに誰かに殴られた痕だ。 「あ……これですか? 半年前くらい、サイトで知り合った人なんですけど、スパンキングしたがる人で。太いっていうよりリーチのある人で。まぁいっかって思って、せっくすしてたんですけど。昨日、久し振りに呼び出されて。僕、もう阿南先生以外の人だと萎えちゃうようになっちゃって、そのこと伝えたら、ビッチのくせにふざけんなって、車の中で殴られちゃいました」 「…………」 「一発殴っただけで許してくれたんでほっとしました、明日には腫れ、引いてると思います?」 羽織っていたダッフルコートを脱ぎ、セーターとスラックスという制服姿になった三里は、阿南に淡々と問いかける。 阿南は淡々と思うのだ。 スパンキング男の顔面を素手で殴り潰してやりたいな、と。 しょうがない、阿南先生は外敵に対してはそういう性格……なのだ。 インスタントコーヒーでもそれなりに薫りがある。 テーブルには色とりどりの甘いケーキ。 苺のショートケーキ、和栗のモンブラン、ミルフィーユ、チョコレートケーキ。 阿南の膝上に抱っこされた三里はかわいらしいケーキ達を眼鏡越しにぼんやり見つめている。 阿南の筋張った長い指がショートケーキの一角を崩した。 本日、ひどくお行儀の悪い先生はフォークを使わずに手掴みにしたケーキを三里にゆっくり食べさせる。 「……ん……ふぁ……」 三里は、相変わらずぼんやりした眼差しで、どこか息苦しそうに、与えられたケーキを食べる。 ちなみに、今現在、三里はセーターとスラックスとパンツを身につけていない。 ジャージ下とボクサーパンツをずり下ろした阿南の股間に、ぴたりと、柔らかな丸みある尻が重なっていて。 ぐちゅ………… 「ぁっぁ……んく……」 硬く熱く勃起した教師ペニスでアナル奥を緩やかになぞられて、三里は、ろくに味わっていなかったケーキをごっくん丸呑みした。

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