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15-パラレル番外編-先生の恋人になってあげる
見られてしまった。
「何やってる、お前等」
放課後、明かりを消した運動部ロッカールーム、大好きな先輩とキスしていたら。
見回りにきた体育教師の阿南先生に。
ただひたすら甘かった世界が音を立てて崩れていくような、そんな気が、三里はした。
その日、膨大なる不安を背負い込んだ三里は大好きな先輩と一緒に下校し、バス停で別れた。
一言も喋らずに始終俯いていた先輩に三里の不安は倍増していた。
『話は明日だ』
阿南の言葉を思い出すと腹の底がキリキリ痛んだ。
帰宅して、先輩にメールをしてみたが、返事はなく。
翌日になっても先輩からの返事は届かず、色濃い不安に足を引き摺られるようにして、冴えない顔色の三里は登校した。
阿南先生は怖い。
無口で、無表情で、無愛想。
先生の授業では休み時間どれだけうるさい生徒でも押し黙る。
僕、どうなるんだろう。
親、呼び出されたら、どうしよう。
先輩、どうして返事くれないんだろう?
その日、午前中にある阿南受持ちの体育の授業を三里は保健室で寝て過ごした。
阿南によって齎されるだろう結果を先延ばしにしているだけとわかってはいるものの、キリキリ痛む腹に本当に具合が悪くなり、ベッドで横になっていた。
その次の休み時間のことだった。
「三里」
「……阿南、先生」
仕切りのカーテンが開かれ、すぐそばまでやってきた気配に恐る恐る目を開けば、そこに立っていたのは阿南で。
「昼休み、まず三年の××と話をする」
「え、あ……」
「放課後、次にお前と話をする。バスケの練習指導が終わるまでロビーで待ってろ」
それだけ言うと阿南は保健室を去っていった。
帰りたい。
先輩、まだ返事くれない。
帰りのホームルームが済んで「昼休みどうでした?」ってメール送ったけれど、それにも返事が来ない。
怖い。
僕、どうなるのかな。
照明の落とされた生徒用玄関前のロビー片隅にあるベンチ、三里はただじっと座って頑なに固まっていた。
不安と腹の痛みに押し潰されそうになり、必死で一人葛藤していたら。
「三里」
阿南がやってきた。
眼鏡のレンズ越しに三里はぎこちなく背の高い体育教師を見上げる。
「外に出たら校門で待ってろ」
「え?」
たったそれだけ告げると阿南は踵を返して来た道を戻っていった。
底冷えするロビーに残された三里は去っていく後ろ姿を震える双眸で見つめていた……。
阿南の車で連れて行かれた先は彼の自宅アパートだった。
そこで、三里は。
「やっやだ……っせんせ……っやめ……!」
阿南に組み敷かれてセックスを強要された。
華奢な肢体の抵抗など容易く封じられて。
シャツ以外の服はすべて剥ぎ取られて。
硬く、熱く、重い、鉛じみたペニスで体の内側を蝕まれた。
「いや……っやぁぁ……やだぁ……っあ……ぁぁ……っ」
初めてなわけじゃない、先輩としたことはある。
だけどこんなに唐突で無理矢理なものは初めてで。
ショックの余り三里は泣いた。
阿南に止めてもらうよう縋った。
「なんで、こんなこと……っせんせ、もぉ……おねが……っやめ……、っ!!」
聞く耳など持たないとでもいうように阿南は三里の唇を唇で塞いだ。
ざらついた舌端が口内に滑り込んできたかと思うと、上顎の粘膜を舐め上げる。
唾液を攪拌するように掻き回しては卑猥な音色を執拗に紡ぐ。
「ん……っふぁ……んっ」
正に蠢くといった舌遣いに三里は噎せそうになる。
絡みついてくる器用な舌先。
どんどん濡れていく口元。
肉奥に沈められていただけのペニスがおもむろに動き始めた。
「あ……っだめぇっ!」
三里は思わず阿南の肩に縋りついた。
肉の壁を擦り上げる強靭な肉棒にぐっと眉根を寄せ、開かされた両足をびくびく震わせる。
「せん、せぇ……っやっ……、おねが、い……っこんなの……っあ……やめ……っやめてください…………!!」
すると。
阿南は三里の言う通りにした。
「あ」
狭苦しい肉壷を緩やかに掻き乱していた熱いペニスがずるりと引き抜かれて三里はぞくりとする。
阿南は、無言で、三里の元を離れると浴室へ。
間もなくしてシャワーの音が聞こえてきた。
「…………はあ…………」
ベッドに取り残された三里はもぞもぞと体を起こす。
余りの阿南の引き際のよさに却って呆然としてしまう反面、早く、ここから立ち去らなければという焦りに急かされて。
床に放り投げられていた制服をとろうとしたのだが。
「んっ」
背筋を駆け上がった歪な震え。
急に空虚となった後穴がじんじん疼いているのが痛いくらい、わかる。
股間では自身のペニスがカウパーでねっとり濡れていて。
「…………」
あんなに奥を擦り上げられたのは初めてで。
あんなに後穴を抉じ開けられたのは初めてで。
大好きな先輩との優しいセックスしか知らなかった三里の体に容赦なく刻まれた痕。
キリキリとした腹の痛みの代わりに、下半身の奥底が猛烈に疼き出す。
「か……帰らなきゃ……先生がシャワー浴びてる間に……」
そう言いながらベッドを降りた三里は。
急いで着るはずだった制服を踏んづけ、シャツ一枚という格好のまま、物の乏しい部屋を進んで。
阿南のいる浴室に向かった。
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