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扉を開けば阿南の後ろ姿が視界に写った。 相当熱めのシャワーなのか、湯気が立ち込めている。 見栄えのいい、適度に筋肉のついた体が満遍なく濡れている。 阿南はシャワーを止めた。 肩越しに振り返り、扉の向こうで突っ立っている三里に視線を向ける。 「……帰らないのか、三里」 「あ……」 三里は、阿南に何を言えばいいのか、わからなかった。 ただ下肢の疼きを持て余して、帰るに帰れず、縋るように浴室のドアを開けてはみたものの。 阿南に何をどう伝えればいいのか。 「……そうだな、じゃあ、一つ提案させてもらうか」 「え……?」 「三年の××は来年受験を控えている」 「……」 「この時期、何か不祥事を起こせば受験に影響が出る」 「あ」 体ごと振り返った阿南の、未だ硬くそそり立つ肉茎が視界に飛び込み、三里はつい俯いた。 どくどくと強く脈打ち始める心臓。 眩暈を伴いそうなくらい体中に鳴り響く動悸。 「あいつの今後の命運を握っているのはお前、そういうことにして」 「っ……」 三里の手首を掴むと、シャツを着たままの生徒を湯気立つ浴室内に阿南は引き寄せた。 履いたままだったネイビーの靴下が一気に湿り気を帯びた。 「昨日のことを黙っておく代わりに、お前の体、好きにさせてもらうか」 阿南はタイル張りの壁に三里の両手を突かせた。 すでに生徒が勃起していることをその目で捉えていた教師は、そのすぐ背後に立つと。 少女じみた曲線を描く尻丘を撫で、さっきまで蹂躙していた後穴も、指の腹でそろりと撫で上げた。 「ん……っ」 「ここを、好きなだけ、」 ひくひく震える肉穴に次は膨張した亀頭をぐっと押し当てる。 「好きなときに、使わせてもらうか、」 まだしぶとく残る粘膜の抵抗に逆らってペニスを捩じ込んでいく。 肌と肌がぶつかる、根元まで。 「ぁぁぁ……っ!」 変、変だ、自分の体じゃないみたい。 なにこれ。 こんなの知らない。 さっきはショックが大きすぎて気づかなかった。 セックスってこんなに気持ちいいの? 「せ、んせぇの……ぜんぶ……なか、に……?」 「……ああ」 阿南は三里の腰を掴んだ。 ゆっくり、円を描くように、回してやる。 狭苦しい奥を捩じ込んだペニスで刺激されて三里はぶるぅっと痙攣した。 「はぁぅ……っひゃ、ぁ……」 きもちいい、きもちいい。 先生のペニス、きもちいい。 僕の中、先生ので、いっぱいに……。 「あ、あ、っぁぁぁっ……」 「さっきはあれだけやめろと言ったのに、三里、お前、」 「ああん……っせんせぇ……っ」 「いっぱしに感じてるみたいだな」 阿南も三里と同じようにタイルに手を突いた。 腰だけを前後に小刻みに突き動かす。 色白の華奢な尻をリズミカルに打ち震わせる。 「んぁぁっ……きもちぃぃ……」 「いいのか」 「ふぁ……いい……っ……せんせ……っ」 尻に当たる茂みの感触にさえ感じてしまう。 ずんずん奥に当たる亀頭も、太くて立派な竿も、肌にぶつかる睾丸も。 かつてない刺激を惜しみなく刻みつけてくる。 「だっめぇ……っ立てな、っ……ぁぁぁ……、……っ」 壁伝いに崩れ落ちていく三里。 阿南もその後を追った。 濡れた浴室床に四つん這いとなった三里の腰を改めて掴み、膝立ちとなって、より刺激的なピストン運動を繰り広げる。 「こんなに奥は初めてか」 「ぁっあんっあん……っは、じめ、てぇ……っぁっぁっぁ」 「ここだけでいけそうか」 三里がこれまで後ろだけで射精に至ったことはない。 自分自身で前に刺激を与え、先に達した先輩に追い着いていた。 「いってみろ、三里」 「ひっぁぁ……せんせっ……あなんせんせ……っぁ……き、そぉ……これ……あっあっ……あっあっあっ……ぁぁぁぁっっ、ぃ、っちゃ……!!!!」 三里は阿南に激しく突き上げられながら射精した。 腹部に向けてぴしゃりと放たれた精液。 阿南は三里の腰を掴み直した。 限界までぐいぐいペニスを肉穴に咥え込ませ、柔らかな肌に指先を食い込ませる。 「は……っ」 「ぁ……っ……!!!!」 どぷりと体内に広がった阿南の欠片に三里は目を見開かせる。 なかでびくびくと雄々しく痙攣するペニス、その力強い脈動に胸の底が焦げつくような。 ……僕、阿南先生に中出し……された。 ……阿南先生……いく時、あんな声……出すんだ。 きっと学校の誰も知らないだろうな。 「あの、三里とは、別に……その、付き纏われてたっていうか……えっと」 「付き纏われてた、か」 「あ、はぁ……しつこいっていうか……俺は別に……」 「そうは見えなかったがな」 「……、……はぁ……」 目の前に座った、視線すら合わせずに自分だけ助かろうと足掻いている生徒をぶん殴ってやりたい衝動に駆られた阿南だが。 「なら三里とは金輪際関わるな。次に一緒にいるところを見かけたら、お前は嘘をついていたと見做すからな」 密かにずっと想いを寄せていた最愛なる生徒に二度と近づくなと釘を差しておくのみに留めた。 簡単にお前を見捨てて言い逃れする上級生のどこがよかったんだ、三里。 「ぁ……ぁん……ふぁ……っ」 ベッドの上、抉じ開けられた両足を延々と揺らされながら喘ぐ三里に、阿南は、心の中で呟きかけた。 「せんせぇ……僕、帰らなきゃ……ッ、あぁんっっ」 「……俺が後で家に電話してやる、今日は泊まればいい」 三里は半開きの潤んだ双眸で阿南を見上げた。 物欲しくなった阿南は華奢な三里に完全に覆いかぶさり、蜜に塗れ合う下肢同様、唇も密に重ねた。 「ふぅ……んぅ……っ」 最初は欲望が暴走する余り、泣かせてしまい、我に返った。 傷つけてしまったと思った。 衝動を押さえ込んで、押し殺して、何とかその場を離れた。 でもお前は俺を求めてやってきた。 「三里、」 「ぁぁっ……ぁっ……ぁっ……」 「もっとよくしてやるから、」 「せ、んせぇ……っ」 「もっと俺と一緒にいろ……」 俺の痕でその体も心も埋まればいい。

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