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15-6
カーテンが開かれたままの明るい部屋。
「はぁっ……ぁぁっ……はぁっ……っ」
ずっと三里の息切れが続いている。
「……大丈夫か、三里」
初めてじゃないのに。
初めてみたいに阿南先生に感じてる。
ずっと、どきどきして、こんなのもう本当に……。
「大丈夫……です、先生……」
長袖の制服シャツと靴下しか身につけていない三里。
半裸の阿南に両足を左右へ開かされただけで、ビクビクと平べったいお腹を震わせる。
生徒のペニスは果汁が滴るように先走りの蜜でしっとり湿り渡っていて。
指で解されたばかりのソコに屹立した阿南のペニスがおもむろに押しつけられた。
「ぁぁぁ……っやぁぁ……っ」
亀頭の先端が肉襞の狭間に浅くめり込んだだけで涙ぐんでいた双眸をさらに濡らす。
密集する肉壁を押し上げるように、ぐぷ、ぐぷ、慎重に捻じ込んでいけば、片頬をシーツに擦らせて開かれた両足をビクンビクン痙攣させた。
まだ、先生の、まだ全部はいってないのに。
どうしよう、僕、もう……。
「んんんっ……先生……っ」
「……後少しで全部挿入る、三里」
いつにもまして凶暴な肉圧に逆らって、阿南は、焦らずに、強く脈打つ肉塊を先へ。
狭まる肉粘膜をみちみちと割って奥へ。
肌と肌が密着するまで、根元まで、三里のナカへ……。
「あ、だめ……あーーーーー……っっ……!!」
阿南のペニスを全て受け入れた瞬間に三里は達してしまった。
先走りよりも濃厚な白濁が生徒のペニス先からびゅくりと放たれた。
猛然と脈動する体育教師のペニス頂きから根元まで、満遍なくぎちぎちと締めつけ、最初の絶頂にしどけなく極まる。
「ふああぅ……っはぁーーーっ……はぁーーーっ」
「……三里」
「ぁ……せんせぇ……僕の体、変です……いつもより……すごく感じてる……」
「……俺もだ」
涙を流しながら陶然と喘ぐ三里の両足を掴む手に阿南はぐっと力を入れた。
激しい締めつけを堪能するように抜き挿しを始める。
窮屈な肉壺に馴染んでくれば、華奢な両足をさらに開かせて膝裏に両手を添え、前後に腰を揺らめかせた。
「ぁっぁっぃゃっぁっぁっぁっゃぁっ」
どうしよう、声、止まらない。
先生の動き一つ一つに感じてしまう。
目が合うだけで……頭も体も痺れて……ぐずぐずに溶けそう……。
「三里……ッ」
濡れそぼった肉の果実をぷるぷると悶えさせながら切なげに眉根を寄せている三里の顔を見つめ、阿南は、注ぎ込んだ。
三里の奥で欲望の雫を溢れさせた。
「ッッ……んぅぅ……っはぁっはぁ……ん……っ」
頻りにお腹を波打たせて呻吟している三里に……あからさまに熱を取り戻してしまう。
「はぁ……ぁ……?」
絶頂飛沫を受け止めて甘い眩暈に溺れていた三里の背中に両手を差し込み、抱き起す。
そのまま緩やかに体位移行。
ベッドに仰向けになり、自分に三里を跨らせ、慣れない位置に大いに戸惑っている生徒を見上げた。
「……や……せんせぇ……これ、怖いです」
「……動いてみろ、三里」
「……動けない、です」
「……ゆっくりでいい」
シャツが滑り落ちて両肩を露出させた三里はぎこちなく阿南のさり気なく割れた腹筋に両手を突かせた。
ず……っず……っ、たどたどしく細腰を上下させてみれば肉奥がペニスでふんだんに擦り上げられる。
阿南の解き放った白濁飛沫が絡まって、ぐちゅぐちゅ、たっぷり擦れる。
「あ・あ・あ・あ・あ」
まだセックスを熟知し切れていない体でありながら三里は……味を占めてしまった。
自分が動いて得る初めての刺激にあっという間に夢中になる。
体底で逞しく聳えるペニスを軸にして熱心にフルに腰を動かす。
「せんせ……っ腰、とまらな……っあん……っどうしよ……っ」
欲望に暴かれた体と反対にまだ戸惑っている頭。
板挟みになった三里は涙目で不安げに阿南を見下ろしてきた。
「あなんせんせ……っっ」
正直、阿南は猛烈に堪らなくなった。
身を起こすと欲望に誘われるがまま不安がる三里に深々と口づけた。
唾液でねっとり温む微熱を共有する。
口内で大胆に絡ませ合って、器用に舌先だけくねらせ、小まめに刺激を送り込む。
唇同士の摩擦を切り上げた後は三里の華奢な体をぐるりと反転させ、後ろから抱きしめるようにした。
果汁に蕩けそうな果実を利き手ですっぽり包み込んで愛撫する。
戯れに、緩んでいた唇に、そっと指を突き入れていく。
「ふ……っっ」
くちゅくちゅとペニスをしごかれながら、もう片方の手の指を第一関節まで口内に含まされて三里はぶるりと背筋を震わせた。
……先生に挿入れられたまま、先生にしごかれて……先生の指まで口の中に……。
下半身に直接与えられる甘い施しにきゅぅぅっと尻孔を窄め、三里は、ちゅぅっと阿南の指を吸った。
この上ない好物のように感じられて飽きずに吸い続けていたら第二間接まで唇奥にぬるりと滑り込んできて。
「ん……ぷ……」
阿南の指を味わうのに夢中になっていたら。
獣じみた舌遣いで首筋を舐め上げられて。
果汁滴るペニス先端を集中的に搾りしごかれて。
阿南の指をしゃぶりながら三里は二度目の絶頂に堕ちた。
まだカーテンが開かれたままの、明かりが消された、暗い部屋。
ギシギシと軋むベッド。
熱もつ暗がりに途切れることのない吐息。
汗ばむ肌がパンパンと激しく鳴らされる。
「っ……せんせ……っあなんせんせっっ……せんせぇ……っ」
阿南の大きな両手に腰を捕らわれて最奥を連続して突き上げられ、クッションにしがみついた三里は呂律が回らない声で阿南を呼ぶ。
「ッ……はぁッ」
阿南の低めの息遣いに腹底をこれでもかと疼かせて三里はビクビクと達する。
もう何度目の絶頂だろうか。
同じく何度目かもわからない阿南の絶頂を受け止めたソコは底つくことのない彼自身の欲望に泡立つほどに塗れていて。
肉奥に長く居座り続けたペニスがようやく引き抜かれていく。
「あ……ぁ……」
複数の濃厚糸がねっとりと連なり、弾けて、すでに濡れ滴っていた内腿をさらにあからさまに濡らした。
「せん、せ、ぇ……」
今、何時なのか。
家族に帰宅が遅くなると連絡はしたが心配していないだろうか。
そんなことを考える余裕もなかった。
現在脳内全てを占領している阿南に三里は抱きついた。
「……阿南先生……」
掠れた声で名前を呼んで生身の肌に頬擦りする。
あたたかい両腕に抱き返されると安心して身を委ねた。
「だ……だめ、です、先生……」
「……三里」
「っ……ン」
体育の授業中、体育委員でもないのに得点板をとってくるよう言われ、ステージ脇の倉庫に一人で入ってゴソゴソしていたら阿南がやってきた。
体育館中央で待機しているクラスメートからかろうじて死角となる隅っこで三里はキスされた。
「んん……っ」
しかもディープキスだった。
ほんの数秒間息を止められて真っ赤になった三里から離れると阿南はぼそりと言う。
「……口、拭いとけ」
一瞬にして上下とも濡れてしまった唇を三里は慌ててジャージ袖で拭う。
阿南は少しだけ笑って得点版を運んで行った。
『……すまない』
あのときに見せた阿南先生の淋しそうな笑顔……すごくどきどきしました。
先生にも弱い一面があるんだって。
一足遅れて倉庫を後にした三里は生徒に指示を出している阿南を見つめて思う。
無口で淡々としてる阿南先生をあんな表情に変えられるのって、僕だけ、ですか?
「え。パフェ、頼むんですか?」
「……」
阿南が甘党だと初めて知った三里。
たったそれだけのことで、何故だろう、この上ないしあわせに満たされるのだった。
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