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19-温泉へ行こう
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「阿南先生、次はどれ食べますか?」
「……三里、風邪引くから服を着ろ」
「まだいっぱいありますね、どれがいいかな」
一口サイズのチョコレートがぎっしり詰まった箱を見下ろして、どれにしようかな、と阿南に食べさせる分をベッドで選んでいる素っ裸の三里。
下を履いて上にはシャツだけ羽織り、ベッド端で片肘を突いて横になっていた阿南はそんな生徒に問うのだ。
「……来月、どうする」
「はい?」
ホワイトデー、という単語を使うのが性に合わない阿南先生はキョトンとしている三里に続けた。
「来月の14日……何か欲しいものあるか」
「阿南先生ほしいです」
「……いつもやってるだろう」
「ぜんっぜん足りないです」
「……どこか遠出するか」
「はい?」
「温泉で一泊……するか」
歴代恋人にも言ったことのない提案をしてみせた阿南にキョトン顔でしばし一時停止していた三里。
そして今度はキョトン顔を解いた生徒が阿南に提案するのだ。
「禁欲しましょう」
「……は?」
「来月の14日、ホワイトデーまでセックス断ちしましょう、あ、オナニーも禁止ですね」
以前、修学旅行の引率として学校から離れた阿南に一週間の禁欲を誓ったことがある三里。
「……お前、大丈夫か」
「頑張ります、だって、その方が倍楽しめるから」
手に取ったチョコレートを阿南の口に押し込んで三里は珍しく感情豊かに嬉しそうに笑った。
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阿南が選んだのは最も近場にある温泉地の旅館だった。
午前中は学年末テストが終了して表情が明るい……のもいれば暗い顔もいる部員が集ったバスケ部の指導に当たり、昼過ぎ、待ち合わせていた三里を車に乗せて高速道路をひとっ走り……。
「あぁぁっぁっん!」
宿に到着したわけじゃあない。
「あっん、阿南せんせ……っ、一ヶ月ぶりのおちんぽぉ……もっとお尻でもぐもぐしたぃです……っ」
そこは高速道路途中にあったパーキングエリア。
売店やガソリンスタンドはなくトイレだけが設置され、数台停車してある大型トラックでは運転手が昼寝中、賑わうサービスエリアと違ってがらんとしている。
そんな駐車場の片隅、車を停め、後部座席に移動して……阿南と三里は一ヶ月ぶりに。
「ッゃぁぁぅ……っこのおちんぽぉ、ぱんぱんしてるぅ……精液いっぱい詰まってるの……? 一ヶ月分の精ぇ子、ココに溜まってるの……? ねぇ、先生……?」
狭いバックシート、阿南は三里と正常位セックスにのめり込んでいた。
「ゃっぁぁぁぁッ!せんせっ……一ヶ月ぶりのおちんぽみるくっ、僕のお尻にびゅーびゅーびゅーびゅーして……っ……生ちんぽから射精してっっ」
とりあえず禁欲ライフを道中解消しておいて二人は温泉地に到着した。
「わぁ、すごいです」
宿泊先の旅館は全て離れタイプの客室で露天付き、しっとり落ち着いた和室は座敷と板の間の寝室に分けられ、実に広々としていた。
庭に置かれた灯篭が艶やかしっぽり感を演出している。
従業員が施設の説明をしている間、三里はトイレへ、パーキングエリアで阿南に自ら望んだ粗相をせっせと処理した。
そうして部屋に戻ってみれば。
「……夕飯、七時でよかったか」
すでに浴衣に着替えた阿南がしっぽり感満載で座敷のほぼ中央に立っていた。
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