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20-パラレル番外編-おにはうち、ふくもうち
■三里が孕む男子設定です
節分の夜に阿南は彼と出会った。
「鬼は外って、みんなが言うから」
神社に続く階段の三段目のところで横になって丸まっていた彼は三里と言った。
外灯にうっすら照らし出された三里は裸足でボロボロの服を着ていた。
頭から二つ、何か生えている。
小さな角みたいな。
「だから、ずっと一人でいたの」
「……それ、角みたいだな」
「角ですけど?」
「……」
「僕、鬼ですけど?」
冬の夜、服どころか全体的にぼろぼろな鬼の三里を阿南は自宅へ連れて帰った。
熱いお風呂に入らせて着替えも提供し、出来立てごはんを振る舞った。
「おいしい」
「……どうして下に何も履いてないんだ、スウェットはどうした」
「あれですか? おっきくてすとんすとん落ちちゃうからもう掃きませんでした」
僕、人からごはん振る舞われたの、初めてです。
「おちんぽは数えきれないくらい振る舞われましたけど」
「……」
阿南のお古、ぶかぶかざっくりなセーターをだらりと着、お風呂上がりで艶々した生足を惜し気もなく曝した三里はもぐもぐごはんを食べる。
「……おかわり、いるか」
さらさら前下がり気味の黒髪、華奢な体つきで女子めいた肌、鬼なのに眼鏡っこ。
「いる」
「……ほら」
「阿南は何してる人?」
「教師だ」
「先生。じゃあ阿南先生って呼びます」
三里にごはんを食べさせて、向かい側で自分も食事を済ませ、後片付けし、お風呂に入って。
自分のベッドに三里を寝かせた阿南はソファで毛布に包まって眠りについた。
日付が変わって一時間ばかり経過した頃。
「阿南せんせ」
ベッドでスヤスヤしていたはずの三里が毛布の中に潜り込んできた。
「……狭いだろ」
「うん。でもこっちがあったかいです」
片方の生足を大胆に阿南に絡ませて擦り寄ってくる。
毛布の内側で増した体温。
確かに暖かい。
「僕、阿南先生に恩返し、したいです」
「……別にしなくていい」
「や。したいの。させて?」
毛布の下でもぞもぞしていた三里の手が阿南の股間に到着した。
「あ……おっきい……阿南先生の……」
「……」
「もっとおっきくして……?」
ここまでされて受け流すのも男が廃る、三十一歳体育教師の阿南は淫乱鬼三里の過剰なお誘いを受けて立つことにした……。
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