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21-パラレル番外編-先生ね、tkbが弱ぃの……
ちっちゃな頃からセックス依存症でハッテンバを夜な夜なハシゴするような真性淫乱の三里は小学校の教師をしている。
恋人なんていらない。
この世界に運命の相手なんて存在しない、そう、思っていた。
彼と出会うまでは。
「よろしくお願いします、三里先生」
親に付き添われるでもなく初日の朝から一人で職員室にやってきた転校生。
低学年と高学年の狭間に位置する年齢にしては淡々とした物言い、黒髪に澄んだ眼差し、男前予備軍なる顔立ち。
それでいて何故かふわふわ甘いクリームパンの香りが漂う。
あ。
どうしよう。
僕、恋に落ちたかも。
「阿南くん、前の学校でカノジョとかいた?」
転校初日、阿南(あなん)君はクラスで派手目立つカワイイ女子グループに早速ロックオンされた。
「わたしカノジョになってもい?」
「繭ちゃん、六年と付き合ってたじゃんっ?」
「もー別れたの、先パイとは終わったの」
「授業、始めるよ」
「ね、考えといてね、あとでLINE交換しよ?」
阿南君がLINEはしていない、と言う前に繭ちゃんは席に戻ってしまった。
「授業始めるよ、教科書三十三ページ、開いてね」
ヤル気のなさそうな、いつだって俯きがちな、生徒に興味のなさそうな、地味担任の三里先生。
ちら、ちら、阿南君だけを教科書越しに見てくる。
転校生を気にしてくれているのかと、最初、阿南君はそう思っていた。
阿南君が三里先生のいる学校にやってきてから一週間が経過した。
体育の授業、ゼッケンありとゼッケンなしのチームがバスケットボールの対戦をしている。
「阿南くん、かっこいー」
体育館の壁際できゃっきゃしている女子一同を何気なく見た阿南君。
次に、細い体にジップアップのジャージを着た三里先生をちらりと見てみる。
書類を綴じたクリップボード越しに、三里先生、眼鏡越しに恋する乙女みたいにこちらを見つめていて。
鳴呼、かっこいい、なにあの生き物、どうしてあんなに動くの、スラリとした手足、たまらない、どうしてふわふわ甘い匂いがするの、かぢってみたい、舐めてみたい、隅から隅まで味わってみたい。
キスした、い…………。
放課後の教室、うっかり忘れていた書類を取りに戻ってみたら、阿南君が繭ちゃんとキスしていた。
次の日、三里先生は学校をズル休みした。
自宅アパートで食事もさぼって絶望に打ちひしがれていたらウザいセフレから連絡が入った……。
「あっん……なか、だしていいから……もう今日でサイゴにしてね……? このおちんぽ、僕……あんまりタイプじゃない……見かけ倒し、って、やつなのかな……? ね……? ほら、早くいって、帰って……? もう一生来ないでね……? ……あん」
二発かましたセフレと決別して、さっと一風呂浴びた三里先生、浴室から部屋に戻ってみたら。
「先生、ドアの鍵かけた方がいいよ、危ないから」
阿南君が勝手に我が家にお邪魔していたので腰が砕けそうになった。
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