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「も、やめて、阿南君……誰か来たら……」 放課後の小学校。 ほとんどの生徒が帰宅して静まり返った校舎に満ちていく夕日。 「先生、いつもそう言うけど」 「あ」 「今まで誰も来たことない」 「あ、あ、あ……」 六年生の教室だった。 後ろの壁には習字の力作がずらりと張られ、正面の黒板には今日の日直の名前が書かれたままになっている。 教室後方の出入り口となるドアのすぐ横、廊下からだと死角になりやすい隅に背中を押しつけて先程から悩ましげな声を押し殺しているのは。 このクラスの担任である三里先生だった。 「ン……だめ、そんな吸っちゃ……っ」 普段から俯きがちで傍から見れば地味めだが、じっくり眺めてみれば綺麗な顔立ちであることが判明する女性じみた肌をした教師にやたら密着している生徒がいる。 「先生の乳首、また敏感になってる」 二年前にこの学校に転校してきた阿南君だ。 バスケットボールクラブの練習を終えたばかりで、短い髪を汗でしんなりさせた彼は、三里先生の胸元に顔を埋めていて。 大胆に肌蹴られたシャツ。 外気に零れ落ちた澄んだ柔肌。 この学校にやってきて以来、阿南君によって日々開発され続けている乳首に今もまた念入りな刺激が与えられていた。 年の差に見合った身長差、丁度いい位置にある三里先生の乱れた胸元に顔を埋めた阿南君はけしからんコリコリ突起を吸っては舐め、舐めては吸う。 唾液を塗りつけられて卑猥に艶めく乳首の付け根も、先っちょも、側面も、口の中で満遍なく丁寧に舐め回す。 胸元から全身に忍び寄る甘いゾクゾク感に三里先生はすっかり上気しきっている。 一度も触られていないペニスを服の下で熱く硬くさせて。 誰もいない夕方の教室、息を潜めながらも愛しの生徒に確実に追い上げられていく。 「先生の乳首、俺にすっかり懐いた」 男前予備軍なる阿南君が上目遣いにそんな台詞を口にするものだから三里先生はさらにどうしようもなくなってしまう。 「あ……阿南君の、先生のコレ、このはしたないコリコリ乳首……どっちも阿南君のモノ……っ」 何ならバックだって捧げたい。 ずっと疼いているお尻の奥ごと、根こそぎ、阿南君に奪ってほしい。 「阿南君……お、お尻……」 かつては不特定多数のセフレと爛れた性生活を過ごしていた三里先生だが本命の阿南君となると嘘みたいに奥手になる。 「お尻?」 「あ、あのね……その……」 全壊するくらいぐっちゃぐちゃに掻き回して犯してほしい、なんて言えない……。 「……なんでもない」

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