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目覚めれば、もう、そこは。 これまでいた世界と別の世界だった。 「三里」 喉奥に満ちる閉塞感に魘されるようにして目を覚ました三里を覗き込んでいた彼。 「く……るし、ぃ……息、できな……?」 「顔を上げろ、三里」 それはそれは大きな寝台で黒衣の彼は三里に口づけた。 まるで呼吸を分け与えるように。 眼鏡のずれた華奢な少年をしっかり抱き込んで。 この世界を総べる者の息吹を直に注いだ。 「ぷ……は……」 あれ。 さっきより楽になった。 でもまだ頭も痛いし、むかむかするし……なにこれ、風邪でも引いたのかな? 「お前の言う通りにした、三里」 あ。 この人「あの人」だ。 「ど、して……馬じゃないの……? 本当は人間だったんだ?」 「俺が誰かわかるのか」 「うん……わかるよ……」 「……」 「いろんな人に抱かれてきたけど……貴方だけはみんなと違う……だから<あの人>と同じだって……わかったよ?」 「そうか」 薄れていた閉塞感がまた込み上げてきて三里が咳をしたら彼は再び口づけを施してきた。 先程よりも濃厚に、長く、長く。 「ん、ぷ、ぅ……っは……ぁ……っ」 「三里、この世界の瘴気はお前にとって……ほぼ毒に等しい」 「瘴気……? 毒……? じゃあ僕……やっぱり死んじゃう?」 それでもいーや。 貴方に抱かれて死ぬなら火に焼かれるより安らかに逝けそう。 「死なせるわけない……」 キスを続けながら彼は黒衣を脱いでいった。 すでに裸にしていた三里にぴたりと重なる。 「あ」 ……おっきぃの、あたって……。 「俺がお前をこの世界に馴らす」 「あ、あ、あ」 「俺の欠片を得てくれ」 「や……っなに、これ……んんんっ」 「……三里」 すごくおっきぃの、はいってきた。 こんな奥、初めて。 こんなところまで突かれたこと、ない。 「あん……っあん……っ」 別世界に目覚めたばかりでいきなり尻膣最奥まで抉じ開けられ、肉底を満遍なく愛撫されて。 天蓋が伝う寝台の上で切なげに喉を反らす三里を彼は見つめた。 人間界の混沌を見学しに仮の姿でふらりと降り立っただけのつもりが。 人間の少年を見初めてしまった外界の主。 『貴方はきっとどこか遠いところから来たんだよね』 一目見た瞬間、花嫁にしたいと思った。 「あ!!!???」 彼に種付けされた三里は押し開かれた両足をびくびく痙攣させ、獰猛な尻膣射精に体が勝手に感極まって……達した。 一気に薄紅に染まった柔肌へ白濁した雫を大いに飛び散らした。 「え、え、え……っ?ずっとでて……っ?」 「……このまましばらく俺の成分を分け与え続ける」 やたら長い射精時間に目を白黒させている三里の雄膣内で逞しく張り詰めたまま、今、動き始めた彼のペニス。 「お前の全身に浸透するまでな」 いっぱい、ずっとでてる……これ、だしながら突かれてる……? 濃縮子種汁を途切れなく噴きながら雄膣を擦り上げてくる。 息苦しさが蹴散らされるほどの、ずっしりと重量あるサイズで初めての領域を一心に溺愛される。 処女になっちゃった気分だ。 「あんっ……こ、んな、奥……ぅ……んやぁあんっ……!」 後ろからも。 横からも。 下からも。 延々と種付けを繰り返される。 余すことなくとろっとろになった三里の雄膣。 前立腺が絶えず刺激されっぱなしでフルフルと勃起し続けている。 「や、休みたぃ……っもぉおなかいっぱぃ……っ」 三里が駄々をこねれば彼は冷静に首を左右に振った。 「……まだだ」 「ふにゃ……」 「まだ行き渡っていない、それに……」 勃起いきっぱなしの熱源をクチュ……クチュ……と優しく握り込まれて三里は柔な肢体をぞくぞく波打たせた。 ずっと自分のことを見続けている彼の視線で胸に穴が開きそうだ。 「もっと欲しい……俺は阿南だ……三里」 「あにゃ……っあにゃぁん……っふぅぅ……っ」 「息苦しさはどうだ……どこか痛むか」 「ふにゃっ……も、痛くなぃ……っおにゃかの底、おちんちん、ジンジンするだけぇ……」 「ジンジンするのか、ここと、ここが」 「あっ、あぁあんっ……ずっと種付けされて……お、おにゃか膨らんじゃぅ……」 「……孕めば膨らむのは当たり前だ」 「……僕、孕むの? 男なのに?」 「……男だろうと俺の種は誰でも孕ませる」 僕にあかちゃん、できるの? 阿南とのこども? どっっっっくん!! 不意に大波が押し寄せてきて三里はビクリと仰け反った。 あっという間にぽっこり化したお腹がふるふると波打つ。 「ぁぁああぁ……っっまたいっぱぃきたぁッ……っ」 雄膣を種付け攻めされて最奥も入口も種汁に溢れ返り、濃厚白濁満タン状態。 それでも阿南は射精律動をやめない。 緩やかな動きながらも休むことなく常に腰を揺らめかせて種を根付かせようと惜しみなく活発精子を大量に注ぎ込んできた。 「あっあかひゃん……っできひゃぅの……っ?僕、ほんと孕んじゃぅ……?あぅっ……ぁっあんっ……あんっ……僕に家族ができるなんて……っ嬉ひぃ……あ・あ・あッ……またぃっぱぃッッ…………」 「ここってお城なんだね」 「ああ」 「他に誰かいるの?」 「給仕がいる……苦しいところはないか、三里」 長いこと寝台の外に出ていない三里はシーツ上にぺちゃんと座り込んだまま頷いた。 膝上には……ちっちゃな三里が眠っていた。 何故か真っ黒な猫耳が生えていてお揃いの眼鏡までかけている。 孕んだ三里が産み落とした猫耳こどもだ。 「この子、どうして猫の耳が生えてるの?」 「この世界では普通のことだ、気にする必要はない」 三里とそのこどもを後ろから抱きしめていた阿南。 太陽が昇らない永遠に薄暗い世界の主に抱きしめられた三里はくぅくぅ眠る猫耳こどもを優しく撫でる。 終わりのないあたたかな時間に三里はぽろりと笑顔を零した。

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