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27-7
時折、車の走行音と共にヘッドライトが通り過ぎていく薄暗い部屋の中。
先程から湿った水音がしばし紡がれている。
猫耳男子の甘く捩れた微かな悲鳴も、共に。
「ふにゃっ……ふにゃぁぁ……っっ」
ベッドに仰向けになった三里の両足の狭間に頭を落とした阿南。
汗ばむ太腿に両手を添えて閉じられないよう固定し、唾液を纏わせた舌で……柔孔を舐る。
挿入時の痛みが少しでも和らぐように念入りに。
細めた舌尖を捻じ込んで唾液を流し込んで。
気が済むまで前戯を施す。
「にゃぁぁぁぁぅ…………」
繰り返される愛撫によって完全に包まれていたはずの三里の性器が徐々に頭を擡げて。
自然と捲れた包皮。
怯えるみたいにして覗いた先っぽが、また、興奮を誘って。
「……あにゃ……?」
阿南はぷるぷる震えていた猫耳男子の性器に口づけた。
覗いたばかりの先っぽをあたためるように温んだ舌を擦りつけて。
ちゃんと皮を剥いてやる。
「っっ……うにゃぁぁぁぁ……ン」
華奢な肢体を余すことなく発熱させていた三里のこめかみに汗が滲んだ。
ボタンがいくつか外されてシャツの肌蹴た胸が大きく上下している。
うっすら色づく突起が片方だけ露出し、薄闇にいやに際立っていて。
……もう限界に近い。
……熱が溜まるだけ溜まって沈殿して下半身が重たい。
「あにゃぁん……」
ベッドにしどけなく横たわった三里が見ている先で阿南は上下とも服を脱いだ。
「にゃ……おっきぃにゃ……」
速やかに脱衣を済ませて自分の真上に戻ってきた阿南を三里は濡れきった眼差しで出迎える。
何の迷いもなく触れてきた手。
興味深そうに、自分とはまるで違う、立派な男の成りをした陰茎の質感を掌で確認してくる。
「すごぃにゃ」
「……怖いか」
「怖くない、にゃ」
十分に解した柔孔に……いきり勃つペニスの頂きを押しつけてみる。
硬く熱い鉛じみた感触にゾクリした三里。
パチパチパチパチ瞬きして、濡れそぼった唇を何度も開閉させ、阿南を見つめる。
「あ……あにゃん……っ」
「まだ挿入れてない……触れてるだけだ」
「にゃ……ぁ……」
「……少し挿入れてみるからな」
めりめりと抉じ開けられる。
脈動する熱鉛が窮屈な柔孔のナカに潜り込もうとしている。
「にゃ……っにゃぁぁ……っ」
馴らしたとは言え、やはりすんなり進まない。
肉襞に引っ掛かる。
侵入を拒むような肉圧に……限界寸前で持ち堪えている下半身が逆撫でされる。
「ふみゅぅぅぅぅぅぅ…………」
明らかにダメージを受けた鳴き声。
あまりの窮屈ぶりに無意識に閉じていた目を開ければつらそうな表情の三里がいた。
「痛いか」
「っっ……」
「……三里」
「あにゃぁん……っして……っ交尾ぃ……このまま……っ」
肉圧に逆らい、決して焦って無茶をしないよう、慎重に昂ぶりを突き入れていく。
「三里……交尾じゃない、セックスだ」
「ッ……ふにゃ……せっくす……?」
「好きな相手と愛し合うこと……だ」
絶え間なく蠕動している柔孔のナカをペニスで貫いていく。
「にゃぅぅぅぅ~……っ……好き……?あにゃん、好き……?三里、好きにゃ……?」
初めての貫通に悶絶するようにうねっている肉膜内に根元近くまで沈める。
互いの鼓動が重なり合った場所からダイレクトに伝わってくる。
「……あにゃぁん……」
おもむろに開始された抽挿。
締めつけを絶やさない柔孔奥がペニスで擦り上げられる。
「好きだ」
自分の腕に爪を食い込ませて身悶えている三里に阿南は告げた。
「……もっと早くお前を見つけるべきだった……今まで独りにして……不安にさせて悪かった」
少しでも痛みが薄れるようにと紅潮肌に降り注ぐ口づけ。
息苦しさが遠退いていく。
「あにゃんっ……好きっ……あにゃん、三里の……ずっと三里の……っ」
ぎゅっとしがみついてきた三里の猫耳に頬擦りして阿南は囁いた。
「ああ、俺はお前のものだよ、ずっと」
平日の夜七時前後、バスケの部活指導を終えて阿南が帰宅してみれば。
「おかえりにゃなさい」
ドアを開くとすぐ真正面に三里がちょこんと座っていた。
「今日、魚フライ、にゃい」
「……毎日油っこい惣菜だと体に悪い」
三里のために自炊を増やすことにした阿南、ざっと一風呂浴びて晩ごはんの支度に取り掛かった。
「にゃ、おいしそ」
料理している間、背中からずっと体育教師をだいしゅきホールドしている三里。
重たいが我慢できないことはないので阿南は猫耳男子の好きにさせている。
「いただきます」
「いただきますにゃ」
相変わらず表情は乏しい二人。
「いい加減下もちゃんと履いてくれ、三里」
「ハンバーグおいしいにゃ」
甘えん坊の三里はダイニングテーブルに着く阿南のお膝に座って、自分用に盛られたお皿は放置し、阿南の食べかけを食べていた。
「……三里、自分のを食べろ」
「いやにゃ。こっちがおいしいにゃ」
ちょこちょこ注意しながらも結局は三里をべったべたに甘やかしている阿南先生。
きっと体育教師の腹底では三里の倍以上に蝶々が飛び回っているに違いない……。
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