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――………… ――1ヶ月後。 ボクは精神病院に居た。 「光、お見舞いに来たよ」 「…………」 「ひかる……」 「…………」 声を掛けても、光はなにも答えない。 あの日、光は自殺しようとした。 普段から飲んでいた睡眠導入剤を大量に服薬して、死のうとしたらしい。 まあ結局導入剤くらいでは死ぬ事は出来ず、死ぬほど苦しい思いをしただけだったみたいだけど…… 自殺未遂は鬱病の悪化が原因と診断され、光は精神病院に入院させられた。 それからの光はまるで廃人みたいだった。 ほとんど何も喋らなくて、目も虚ろで一人では何もできない。 ボクはほぼ毎日光の世話をする為に病院に通っていた。 パートで忙しい光の母親の代わりに、ボクが光の面倒を見ているのだ。 この病院は小さく看護師も足りてない。 ボクの存在は病院にとっても有り難かったらしく、先生や看護師からも『えらいのね』『いつもありがとうね』と言われた。 「光、大好きだよ……」 前を向こうとしていた光の鬱病がどうして急に悪化したのかは分からない。 それでもボクは今、とても幸せだった。 大好きな光の世話が出来る毎日はこれ以上ないという程充実している。 「光、あのね、ボクね……  今まで生きて来た中で、今が一番幸せだよ……」 話しかけても、何も返って来ない。 だけどそれでいい。 ボクが感じていた不安も、恐怖も、今はもうない。 ……ボクは今、幸せだ。

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