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Ⅲ:1
清宮の卑怯な策略により、俺たちが正式にパートナーを組んでからもうすぐ三週間が経つ。あれからと言うもの、バイトと大学へ行く以外のほとんどの時間を共に過ごし、プレイをする度肌を重ね、求められるがままに深く繋がった。それが清宮とのプレイでは当たり前になっていたが、自分の尻に奴の立派なイチモツを突っ込まれる行為にはまだまだ慣れず、痛みと恐怖が伴う。
今の俺にとって、それがSubとして褒美を貰う為の〝我慢〟になっている。
「伊沢くん、まだいける?」
「はっ…ぁ、むり…も……やっ」
この半端じゃない清宮の体力は一体どこからやってくるのか。
吐き出すものがなくなってからも永遠と続いていた抽挿が漸く止まり、すかさずイヤイヤと頭を振った俺の髪を、清宮はその長い指でゆっくりとすいた。
「そう? じゃあ今日はここまでにしよっか」
「も…早く抜け……ンあッ!」
花の蜜を煮詰めた様な声を俺の耳に落としながら、ズル、と中から清宮が抜け出す。その感覚にもまだ慣れず、思わず変な声をあげた。清宮が口角を持ち上げる。
「まだ中だけじゃイけないね」
「ぁ…たりめ…だろ…ッ」
「でも、後ろ無しでもイけないよね? 痛ッ!」
俺の腰をまだ意味ありげに撫で上げた清宮の手を叩き落とした。
「さっさと終われよ!」
「ざぁんねん。じゃあ口、開けて?」
言うが早いか互いの唇はあっと言う間に重なった。
大人しく開いた唇の隙間から、ぬるりと清宮が忍び込む。荒い息を宥める様に息継ぎを促しながら、俺の好きな場所を擽り遊んでいく。
与えられるものの中で、唯一気に入っているのが清宮のキスだ。この優しく慰めるようなキスが、Subに変貌した俺にとって極上の〝褒美〟となっていた。そしてこれが、俺たちのプレイ終了の合図だった。
ぢゅ、と音を立てて唇が離れる。
「も…眠い」
「じゃあ少し寝よっか。起きたら一緒にお風呂入ってぇ、お出かけしようね?」
「風呂はひとりで入る。そんで帰る」
「ふふ……ダメ」
「チッ」
休日になる度に昼の街を連れ回されるのもまた、当たり前になりつつある。清宮によって俺の生活は、どんどん変化を遂げていた。
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