36 / 47

Ⅳ:13

 自分でも、尻の入口や内壁、そのもっとずっと奥の方が清宮の侵入を歓迎して、ヒクヒクしているのが分かった。 「あっ、あぁあっ、あ…そこ、そこっ」 「ここ?」 「ちがっ、もっとおく!」 「知ってるよ」 「ひぁ"あ"っ!!」  更に深く突き入れられた指が、中でバラバラに動く。適当に動いているように思えるそれは、だがしかし俺の好きなところを完全に把握する動きで。  全身が痺れるほど感じる膨らみや、ぞわぞわ感じる場所を指で悪戯にくすぐる。快感が絶え間なく脳髄まで響いて、躰は〝イきたい〟と訴えた。 「伊沢くん、もうそろそろイきそう?」 「んっ、も…イきたい」  たった三日間。されど、三日間。  清宮と出会ってから、二日とあけずにほぼ毎日快楽を教え込まれてきた躰は、三日間の禁欲生活に早くも悲鳴をあげていたようだ。  まだ胸を弄られ尻に指を受け入れただけなのに、俺の前はダラダラとヨダレを垂らしてその先を待ち望んでいる。だけど、尻だけで達したことはまだ一度もなくて。いつも与えられる前への決定的な刺激が欲しくて、俺はパンパンに張り詰めて震える自身に手を伸ばした。が、 「ダメだよ触っちゃ」  その手は、清宮によって止められた。 「なんだよ! もうイきたいんだよ俺は!」 「じゃあ、質問に答えてくれたらイかせてあげる」 「はぁ!?」 「どうして君のお尻は綺麗になってるの?」 「あ…」 「俺と会うことになったから、洗っておいてくれたの? エッチ、する気だった?」  俺は冷や汗をかいた。そんなところ、突っ込まれると思ってなかったからだ。  清宮と過ごすようになってからと言うもの、受け入れる準備をするのが俺の仕事みたいになっていた。病気の予防のためもあるし、やらずにコイツの家に行ったからといって、セックスをしない日は無かったからだ。最悪その行為さえプレイの一環にされることもあった。  結局洗うハメになるなら、始めから洗っておいたほうが得策だと思った。それは清宮を避けていた三日間も、同じで。

ともだちにシェアしよう!