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カフェバーのものより小規模ながらも部屋の一角に設置されたバーカウンターがぱっと目を引く、黒と白を基調とした内装、広めのワンルーム。 やはり水村が現在交際している恋人の元カレだという北見は。 自分の肩を貸してやっていた酔っ払い大学生を隅のベッドに放り投げた。 「むにゃ……」 衝撃も何のその、そのまま寝つこうとする水村。 キャンパスにいれば容易く学生の群れに溶け込んでしまえそうな、ありふれた色に染められた髪、服装、顔立ち。 唯一の特徴は泣き黒子か。 「お前にメグは無理かな」 北見がそう言えば、がばりと起き上がり、クッションを投げつけてきた。 「うるへぇ!」 「カルアミルク一杯で酔うようなガキにメグは無理」 「ううっ、うるへー!!」 水村はベッドから北見にタックルした。 酔っている水村が加減できなかったため二人は床へ倒れ込んだ。 百七十センチ以上の平均体型にある大学生を抱きとめた北見はその無鉄砲ぶりに小さく笑った。 大人な笑い方に水村の苛立ちはぐっと増す。 「わっ笑うなぁ……! っ……!?」 自分が組み伏せている北見からいきなりキスされた。 甘いアルコールの後味がこびりつく唇に、乾いた唇がぴたりと重なって、呼吸を止める。 水村は目を白黒させた。 「ちょ、なっ、何だよ……っ、わぁ!?」 いつの間に伸ばされていた両手で尻を揉まれた。 カーゴパンツ越しになかなか強めの力で。 北見は水村の尻を平然と揉みながら戸惑う唇を味見し続けた。 「っ……はぁッ……や、やめろ……尻揉むな……!」 「や、初見からいいケツしてると思ってたから、つい」 一瞬にして位置が入れ代わって水村は北見に押し倒された。 唇が離れた束の間、はぁはぁ呼吸を荒げていた彼に北見はまた口づける。 抵抗してこようとした両手首を床に縫い止め、完全に覆いかぶさるという、れっきとした無理矢理行為に出た。 「ん……っんんぅぅ……っ!!」 酔いの残る水村は素面の北見を押し退けられずに床上で情けなく呻いた。 な、なんだよ、これ。 どう考えても非常事態? まさかメグっちの元カレに襲われるなんて予想もしてなかったんですけど!? ていうか俺、タチなんですけど!!

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