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2-カレはタチが悪い?

年上の恋人だった美容師「メグっち」こと恵弥(めぐみ)と早期破局し、その際にぶん殴られて、その腫れがまだ引かない内に。 航也の元に当の恵弥からいきなり「会いたい」と連絡があった。 「急にごめーん」 夜八時過ぎ、スタバでコーヒーを飲んでそわそわ待っていた航也の元に笑顔でやってきた恵弥は向かい側の一人掛けソファに座るなり。 「コウ君、ちょっとお金貸してくんない?」 いきなり金の無心をしてきた。 「……え?」 「あ、そんなでっかい額じゃないから、二千円でいーから。今、手持ちがなくってさ」 「……メグっち、俺達この間別れたばっかで、え、何言ってるの?」 「俺ね、サラ金に借金してて。今日が返済日ってすっかり忘れててさー」 「……メグっち、借金あったの?」 「でっかい額じゃないよー?」 いろんなことがショックで返事ができないでいる航也は、眼帯を外したばかりの片目の辺りがズキズキ痛んで、しばし固まっていた。 「相変わらず何一つ変わってないのな、メグ」 当惑する彼の隣に一重の細長い眼、短髪黒髪、長身の男がすっと立った。 昨日連絡をもらって会うことを約束していた、本日の正式なる航也の待ち合わせ相手、北見だ。 元恋人同士は無言で睨み合い、まだ片目付近が痛む年若い大学生は、この場合自分はどう動けばいいのか正解がさっぱりわからずに、やはり固まっていた……。

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