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「うぅぅうるせぇ、っひ、っぁ」
「あいつはバックが好きだから」
「は……っあ……?」
「犯すみたいに獣みたいに後ろから音立てて突っ込まれて、イキ狂うのがいいんだって、さ」
イキ狂うメグっちなんて見たことない……。
人生初となるアイシング拡張に身も心も竦ませていた水村は、猛烈に、悲しくなった。
どうして他人同然のこいつに尻に氷を突っ込まれなければならないのか。
恋人であるはずのメグっちはコチラからのお誘いを断るばかりでなかなか自分に会ってくれないのか。
悲しくて水村はほんのちょっと泣いてしまった。
彼の涙に気づいた北見は細長い一重の眼を見張らせた。
「泣いてる」
悔しい水村は痕になりそうなくらい拳で力任せに目許を拭い、自分を押さえつける北見を睨みつけた。
「あんたメグっちにもこんなコトしたのか? 無理矢理ケツに氷突っ込んだのかよ!?」
「まさか」
「じゃあ俺にも突っ込むなッ、早く退けよッ、その前に突っ込んだ氷どうにかしろ!」
北見はこめかみをぽりぽり掻いた。
「相手が嫌がることはしない主義なんだけど」
じゃあ現在進行形で行われているこの行為は何だ、とでも言いたげにしかめっ面になった水村に平然と告げる。
「猛烈にお前のことイジメたくなったというか」
「は?」
「そもそも。タックルして先に手を出してきたそっちが悪い」
「このやろッ……う、わぁ……っ?」
反論・抵抗する隙も与えられずシーツから引っぺがされ、今度は仰向けを強制された水村、涙目でぎょっとした。
「ちゃんとよくしてやるから許して?」
閉じる暇のなかった足をさらに左右へ押し開いて茂みの中で萎えていたペニスに。
北見は食らいついた。
フェラチオされた経験は何度だってあった。
「ちょ……ッ何考えて、ん、だ、よ……ッ……ッ」
しかし。
こんなにも全身が痺れる濃厚な口淫を施されるのは初めてのことだった。
緩急をつけて棹全体をしごかれながら剥けた亀頭を満遍なく舐め上げられる。
細やかな口づけで鈴口を念入りに湿らせ、みるみる湧いてきたカウパーで先端がより濡れる。
尖らされた器用な舌先が裏筋を小刻みに擦り立てる。
アイシングで萎えていたはずのペニスは恐ろしく甲斐甲斐しい唇によって速やかに上り詰めていった。
「いや、だ……ッ」
シェイカーをリズミカルに振っていた白い手、骨張った長い指が溶けかけの氷を奥へ押しやり、探り当てたばかりの前立腺を巧みに突いてくる。
「うわ……! やッ、やめ……!!」
水村は咄嗟に北見の短い髪を掴んで押し退けようとしたが、きつく吸い上げられ、まるで力が入らずに。
恋人の元カレに口内射精してしまった……。
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