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第5話

副会長が出ていき、叔父さんと二人きりになると、叔父さんは俺の大好きなカフェオレを出してくれた。 俺はそれを一口飲んで、やっぱり親父を思い出した。また、泣きそうだ。 「壱雅…そんなに気を張るな。今くらいは泣きなさい。学校は明日からでいいから。担任にもそう伝えてある。1ヶ月よく頑張ったね。泣かなかったんだろう?もう我慢しなくていい。さっきも言ったように、頼ればいい。俺がお前を守るよ、壱雅。」 「っ…!……ぅ…んっ…ひっく…ふぇ…かいとさっ…んっ…おれ…おれ、さみしぃ…ぱぱにおいてかれたぁぁ……うぁぁぁぁああ…」 「よしよし。大丈夫。大丈夫だよ。壱雅、お前には俺がいるよ。璃人だって、お前を置いていくのは渋ってた。けど、お前を異国の地に連れていくのは危険だと判断したんだ。あいつの思い、分かっているだろう?」 「…んっ…わかっ、てる…もん…がま、んする…」 「いい子だ。」 俺の親父は不器用だ。それでいて俺を愛してくれてる。きっと、海外は治安が悪いからと危惧して俺を日本に残したんだ。 分かってる。頭では分かるんだ。だけど、心は寂しい。今まで親父が1番だった俺は、急にポッカリと空いた心の穴に、戸惑いも隠せず泣くことしかできない。 本当はすごく怖くて、すごく不安だ。これから2年半、俺はここで生活する。親父のいない生活なんて初めてだし、さっきみたいな変態(副会長)がいっぱいいるかもしれない。 だから、今のうちにしっかり甘えることにする。俺のキャラなんて知ったことじゃない。おれはぶりっ子するぞ。← 「ねぇ、魁斗さん…?」 「どうした?落ち着いたか?」 「うん…落ち着いた…けど、ぎゅーしてほしいなぁ?」 「ん"っ…おいで…」 「へへっ ……ねぇ、魁斗さん…?甥っ子にそういう感情持つのってどーなの?( ˙-˙ )」 「だだだって!!!壱雅が可愛いのがいけないんだよ!?そりゃこうなるよ!?」 「へんたい」 「ごめん壱雅もっかいいって、録音する。」 「知らない。」 甥っ子が素直に甘えてるのに勃起させる変態がいるみたいなのでとりあえず離れますね。 ああぁぁぁぁああああ…斎藤を抱きしめたい… 「あーあ、さっきまではかっこよかったのに。残念だったね?」 「むっ!壱雅ぁ〜、俺はいつだってかっこいいだろ?」 「魁斗さんは変態だよ。それより、学園の詳細について説明してくれるんじゃなかったの?」 「…変態というのは不本意だが、西園寺を待たせているのもあるしな。早めに済ませようか。」

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