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第9話

部屋の前でグダグダやってると、中からドッタンバッタンといろんな音が聞こえてきた。 ドタッバタッゴンっ((イタイッ!! ベシャッツルッビタンっ! ガチャ 「なんだかいろんな音がしましたけど大丈夫ですか?」 「ふぉぉぉおおおお!!!!!不良くんきたぁぁあああああ!!!」 「あ、俺別に不良とかではないので。」 「んぎゃっ!超礼儀正しい!」 「普通だと思いますが。あ、俺今日からお世話になる実波壱雅です。あなたは?」 「あ、僕1年の佐伯彰!同い年だし、敬語無しで行こうよ!」 「あ、腐男子の?」 「ええ!?なんでそんなの知ってるの!?」 「理事長から聞いた。まあ、よろしく。」 「まさかの理事長!!1度でいいから抱かれてみたいよねー!あ、入って入って!」 「…じゃあイチ、俺行くわ。」 「はい。また何かあればよろしくお願いしますね。」 「おう、いつでも来い。」 要先輩、ちょっと寂しそう…? なわけないか。 「え!実波くんもう斎藤先輩とフラグ立てちゃってるの!?あ、てか待って!今めっちゃ汚いから!待ってぇぇえええええ!!!」 うわ、なんだこれ。汚ぇな。 共有スペースと見られる廊下には靴下やらズボンやらが散乱、パッと見のドアとかは全部半開き。しかもちょっと変な匂いするし。 こいつ、生活力ゼロか? 「いや、片付けようと思った!思ったけど寝坊しちゃって!!」 「いや、別に今からでも掃除してくれていいけど。なんなら手伝うし。」 「え!ほんとに!?助かる!」 聞くところによれば、俺が来るまで同室者は何人か居たが、皆こいつの生活力の無さに音をあげて、最終的に一人部屋になってしまったらしい。 こいつ、顔はいいのに、もったいねぇな。 とりあえず俺の部屋になるところに案内して貰って、荷物を適当に起き、がらくたにしか見えない佐伯の荷物を片っ端からつまみ出してやった。 俺は前の学校でも家庭的男子で通ってたからな。炊事洗濯、掃除まで何でもござれなハウスキーパーレベルのスペックは持ってるから。 本気を出さずとも30分ほどでこの部屋の掃除は終わるし、なんならベッドメイクまで完璧だわコノヤロウ。 「す、、、すごい……!!」 「お前ができなさすぎなんだよ。少しはできるようになれ。」 「ぼ、僕1回も家事とかやったことないんだよね…えへへ」 「えへへ じゃねぇ。やれっつうの。これからはやってもらうからな。」 「〜〜〜〜〜〜っ!!はいぃぃ!!」 あ?なんで赤面してんだ? まあ、そんなことより掃除だな。 このゴミ屋敷とは今日でおさらばさせてやる。

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