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第10話

その後3時間程で全部掃除して、ご飯を食べに食堂に行くことにした。 ほんとは自分で作りたかったんだけど、部屋に調理器具が一切なかったので断念した。 今度買いに行こーっと 「そういえば、なんでこんな時期に転入?」 「あー、親父の転勤。うち父子家庭で、いろいろあって連れて行けないし1人にもできないってことでここ放り込まれた。」 「そうなんだー。家事出来るのも父子家庭だったから?」 「まあ、そーだな。あとは趣味。」 「今度料理とか食べてみたい!」 「あ?ああ、調理器具揃えたらずっと作るつもりだけど、食う?」 「食べるー!!」 食ってくれるやつがいると、俺も作りがいがあるし、早く器具揃えるか。 学園内でだいたい揃うとか言われたけど、その変のやつも売ってんのかな? あー、オーブンと冷蔵庫は備え付けであったから買わなくていいし、フライパンと鍋とかのセットがいるな。 あ、菜箸とゴムベラ、泡立て器とフードプロセッサーも欲しい。調味料とスパイスのディスペンサーも欲しいし… 揃えるものが多すぎるな。前は魁斗さんが引越し祝いにって一式持ってきてくれたけど、今回はそうも行かないし… とりあえず今考えててもしょうがないし、飯食って部屋に戻ったらいるものリストアップするか。 「あー、まだ食堂イベントはないかー…」 「?何の話だ?」 「んー、気にしないで!実波くんはそのまま天然で萌えを僕に提供してくれればいいからね!!」 「萌えってなんだ?」 「実波くんは純粋な今のままでいてね!!」 「あ?おぅ。つーかその実波くんってやめね?これから同室だろ?」 「えー、じゃあなんて呼べばいいのー?壱雅?」 「あー、呼び捨ては特別な人限定だからだめ。イチでいいよ。」 「特別な人限定って何それやばい!萌える!それなら僕はイチくんって呼ぶね!いつか特別になれることを祈りながら呼ぶ!!あ、僕のことは彰でいいから!!」 「お、おう。」 よくわかんねぇけど真横で鼻息荒くすんのやめてくんねえかな。まじで。 その後席につき、「タブレットで注文したらウェイターさんが持ってきてくれるから〜」という彰にならい、とりあえずオムライスを頼むことにした。 オムライスだけでも種類が豊富で、俺はスタンダードなケチャップのものを注文した。 ちなみに彰は和風定食。基本夜は和食を食べているらしい。 それを脳内メモに残し、後で好き嫌いも聞かなきゃなと考えた。

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