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第13話

教室に向かう道中、宮藤先生に魁斗さんとはどういう関係なのか聞かれ、単純に親戚だと答えておいた。 それに対し先生は、驚き、悩み、考え、結論を出したらしく、独り言のように「理事長は理事長、イチはイチ」という、単純かつテストならはなまるを進呈したいくらいの好回答を呟いていた。 そのまましばらく歩き、校舎4階西側の角。日当たりの良さそうな教室に連れていかれた。あ、これは午後の授業寝るやつだと確信した俺はぼんやりと、昼休中にブラックコーヒーを飲むことを決めた。 「いいか?呼んだら入れよ?」 「分かりました。」 呼ばれるまで俺はここで待機らしいが、あいにく教壇側の扉には大きなクリアウィンドウがはめ込まれている。 その為、ドア付近の3,4人ほどにガン見されている。 恐らく不良の類だとでも思われているのだろうが、それはそれで問題ないし、むしろ好都合だ。 友達は狭く浅く。これ鉄則。(持論) 過去にトラウマ?あるわけないだろ。 16年間親父一筋。献身的に尽くしてきた俺に、友達が出来るとお思いか? 答えは否。俺ってなんか執着されると怖そうなんだと。 まあ、とことん縛って俺だけに溺れさせる自信はあるよ? ちなみに一番大切な人ができたらその人の生活力を意図的になくして俺が全部やってあげる予定。 ま、相手の性別はそこに関係ないし、学園内で見つかるかも… なんてな。 「実波ー、入ってこい。」 おっと、呼ばれた。てか実波は苗字ですから。宮藤先生が呼び捨てにしてるーとか、勘違いやめてください。 まだあだ名までの関係なので() 扉を潜り、教壇に登る。 自己紹介って何をいえばいいんだ?何も考えてなかったな。 とりあえず名前か。 「今日からここで皆さんと一緒に勉強させてもらいます。実波壱雅です。名前の呼び捨てをした人の言葉は無視させてもらいます。名前で呼びたいのであれば、妥協案としてイチお呼びください。」 にしても、イケメンとなんか可愛い人ばっかりだな。Sクラスってビジュアルで選んでんのか? ん?てかあそこで手振ってんの彰じゃん。 で、隣が俺の席ってわけか。ま、転校生って感じだわな。 「じゃあ、お前の席は佐伯の隣な。」 「はい。」 スタスタと自席に移動したのだが、何故か全員からガン見されている。 時期外れの転校生ってそんなに珍しいか? あー、帰りたい。

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