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第17話
魁斗さんに自慢って言われた俺は、ルンルン気分で教室に戻った。手には満点の転入テストを持って。
教室までの道は迷わずに来れたよ。流石に朝1回通ったし。じゃあさっきも迷うなよって感じだけどね。
まあそんなことは気にしなくていいからさ!教室入ろう!!うん!!
ガラッ
だから何でみんなしてこっち向くかな?お喋りでもしてればいいのに。
「イチくんおかえりー」
「おー、たでーま。俺転入試験受けてたわ。」
「まあ、受けてなきゃここにいないもんね。」
「まあな。んで、これ答案。」
ペラっ
「……あなたが神か。」
「どうした。」
「いや、だってほんとに満点じゃん。頭良すぎかよ。」
「割と簡単だったぞ?これ。」
「いや、僕には呪文にしか見えない。」
「その一言でお前がすげえバカだってバレたぞ。」
「べ、別に問題ないし!!」
すげえ焦ってるくせに何を強がってんだよ。
てかほんとにこれくらいなら難しくないだろ。授業聞いてればわかるレベルだしな。
「イチくん僕の家庭教師やってよ…!」
「はぁ?授業聞いてれば大抵のテストは大丈夫だろ。」
「それが出来ないからお願いしてるの〜!ほんとにお願い!!高校一発目の中間で成績悪かったら実家のマンガ全捨てされるの!!」
「おうおう、捨てられてしまえ。」
「酷いよ!!僕の恋人たちをそんな風に言うなんて!!」
「必死だな。」
「当たり前でしょ!マンガたちが捨てられたら僕立ち直れない…」
「そんなにか。わかった。今日の放課後から始めるぞ。」
「ほんとに!!ありがとう!!!」
「おう。」
実波壱雅16歳、今日から放課後はカテキョすることになりました。
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