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第26話
わちゃわちゃした夕飯の日から1日半が経ちました。
目の前に広がるのはカラフルな髪の毛と大量のお菓子。
勝手に取り付けられた約束の日に俺は、例のFクラスでおもてなしを受けています。
魁斗さんのお弁当は朝のうちに渡しておきました。ちなみに朝から唐揚げを揚げて、跳ねた油で小さい火傷が2,3個できてしまいました。痛いです。
同時に視線も痛いです。
「璉先輩、下ろしてもらえませんか。」
「下ろした所でお前どこ座るわけ。」
「え、立ってるという選択肢は___」
「ねえな。お前はここに座ってりゃいーんだよ。」
「強引ですね。」
「それが俺だからな。」
「そうですか。あとこの餌付けスタイルなんとかなりませんか。」
「餌付けじゃねえよ。おら、こっちも食え。」
「これ以上は太ってしまうので遠慮します。」
「んだよ。じゃあトランプでもすっか。」
「もうすぐ授業なので離してください。」
「やだね。」
4限目が終わってすぐ、昼休みのチャイムと同時に拉致られた俺は、1時間以上ここでおもてなしと言う名の拘束を受けている。
そう、5限目をサボってしまったのだ。
別に特待生というわけではないので、特に学校生活において困ることはないのだが…
いかんせんこの頭である。教師に目をつけられると面倒なので、なるべく授業には出席したい。
拉致られる瞬間に彰に素早くアイコンタクトを撮ったので、5限に関してはうまく誤魔化してくれてるだろうが、6限目はコミュ英なので普通に俺が出たい。
と、いうわけで離してもらいます。(実力行使)
「ていやっ!」
「…っ!?」
「「「「璉さんっ!!!」」」」
「軽めのチョップ入れたくらいで何驚いてるんですか。痛くないでしょ。」
「痛くはねえけど普通に驚くだろ。そんなに授業が大事かよ。」
「そりゃあもちろん大事ですよ。また遊びに来ますから、その時はトランプ混ぜてくださいね。」
璉先輩の膝からさっと飛び降り、出口までに立ちはだかるFクラスの皆さんをかわして退室。
教室までちょっと急ぎ目に歩けば授業に間に合うくらいたが、追われないうちに脱兎のごとく走り出したので4限目には余裕を持って間に合った。
教室に入った瞬間、彰からの質問攻めに遭ったがデコピン一発で返事をして着席。
その後まじめに授業を受けて、忙しい日が終わった。
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