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第25話 なごみと渉1

(なごみ語り) 朝食を食べ終わると、大野君は急いで帰って行った。もっとゆっくりすればいいのにと、彼が着ていたスウェットを洗濯機に入れながら思う。洗濯機を回している間、渉君が治療をしてくれた。睡眠不足で体が怠いのを直ぐに見破られて叱られる。 「洋ちゃん、疲れすぎだよ。睡眠は大切っていっつも言ってるでしょ。もっと自分を愛してあげて」 「ごめん。昨日は眠れなかったんだ」 うつ伏せになって、背中に鍼を打ってもらう。ツボを刺激しながら、渉君が確認するように身体へ触れていく。背中の緊張度合が左右とも違ってアンバランスなのが良くないらしい。 「夜中に、あの大野と何してたの?」 突然渉君の手が止まり、問いただすような口調になった。 「何もしてないよ。大野君が酔いつぶれたから仕方なく連れて帰っただけで。他人がいたら寝れないでしょ……あっ冗談でキスされた。酔った勢いで……ふふふ、なんでだろうね」 告白みたいな報告もされたが、話が余計にややこしくなるから言わないでおく。 「はあ?キスってあのキス?なんで?大野にそんな権利ないってば。なんでそんなことになったの?ねぇ、なんで?キスって、男同士だよ。ありえなくない?」 「うーん。撲もあんまり深く考えなかったんだ。忘れるような些細な事だよ」 大野君とは事故みたいなものだから気にすることないのに、渉君はキス1つでパニックになっている。 当の僕は何にも深く考えていない。 「渉君、落ち着いてよ。本当に何にもないってば」 「ただの後輩の大野とキスしたのに、友達で保護者の僕とはしてくれないの?僕だって洋ちゃんとキスしたいのに……」 ええぇぇっ渉君、僕とキスしたいの? 大野に対してではなく、僕に物申したかったのか。 「別に……してもいいけど、渉君がいやじゃないなら……」 「うそ、ホントに?僕は今すぐしたい」 渉君は僕の世話をしてくれてるし、そんなこと言われると無下に断れない。僕はTシャツを着てベッドから起き上がった。そして、渉君と向かい合わせになって座る。 「どっちからしようか」 僕と渉君は受身が多いので、される方に慣れているという問題点があった。困っていると、渉くんが口を開く。 「じゃあ、僕からしたい。洋ちゃんは目を瞑って、身体を楽にして欲しい」 「うん、分かった」 渉くんに言われた通り、目を瞑る。目を閉じて待つなんて、思春期の女の子みたいだとドキドキした。 渉君のキスはどんなかな。想像だと小鳥がついばむような軽いキスを好みそうな、そんな予感がした。 うわわわわっ。 柔らかい唇が当たったかと思ったら、いきなり舌が入ってきて、口の中をくま無く舐め始める。 彼の舌遣いが滑らかで、自分からも思わず絡めたくなった。控えめに動かしたら、口内を温かいものが拡がった。僕より体温の高い渉君の唾液だ。 想像と全く違った渉くんのキスに、僕は頭がうまく働かず、上せたようになる。 「………ん………はぁ……ふぅっ……んん……」 渉君の勢いが徐々に強くなり、掌が僕の腰を撫で始めた。 気持ち良くて蕩けそうなキスに、股間が段々熱を持ち始める。
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