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第81話 渉の訪問4

(なごみ語り) 早く寝たせいか、目が覚めると時計はまだ5時半を示していた。 頭がクリーンで軽やかだ。 睡眠の大切さをひしひしと感じながら、狭いベッドに寝ているもう1人の顔を覗き込んだ。 渉君はぐっすり寝ているようで、胸が規則正しく上下している。まつ毛が長く綺麗な寝顔だ。僕と似ているとよく言われるけれど、渉君の方が鼻筋も通っていて男前だ。まあるいオデコも好きだな。 今より大きなベッドを買いたい。次の休日に渉くんと見に行こうかなとぼんやり考えていた。 「何笑ってるの。僕の顔可笑しかった?」 いつの間にか渉君は目を覚ましていて、僕を見ていた。その視線は熱を含んでいて、思わず目を逸らしてしまう。 「起こしちゃってごめん。ベッドを買い換えようと思って」 「買い換えるの?」 「うん。2人で寝るには狭いでしょ。部屋があんまり広くないからセミダブルだけどね」 シングルベッドに男2人は狭い。寝返りも打てないから、朝起きると身体が痛いのだ。 すると、渉君が僕の身体に手を回した。するりとスウェットの中に手が入ってきて、優しく、くるくると背中を撫でる。 「僕はこうして洋ちゃんと近くで寝るのも悪くないと思う」 「うん。それもそうだけど……」 僕も同じように渉君の服の中へ手を入れた。あったかい布団の中でお互いを弄り合う。渉君の肌は手に吸い付くように滑らかでしっとりとしていた。 そして、どちらからともなく口づけをする。 最初は目を見ながら、触れるように柔らかい唇の感触を楽しむ。次第に目を閉じて互いの舌に集中する。 忘れてたけど、彼はキスが上手で、主導権はすぐ渉君に取って代わられた。 頭を耳の後ろから固定されて、貪るように上あごを舐められる。酸欠のまま、生暖かい舌が僕の頬の裏側を這っていった。とても気持ちがいい。 くちゅくちゅと唾液の音が頭に響く。 上手く息を吸えなかった僕のために、渉君が口を離してくれた。 「洋ちゃん……大丈夫かな、息吸えてる?」 「………ふぁ……うん……だいじょぶ……」 肩で息をしている僕を渉君がそっと抱きしめた。 こういう渉君の優しさが好きだなと思う。

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