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第82話 渉の訪問5
(なごみ語り)
「今日はこれから仕事だし、これをどうにかしないと……だね」
渉君が緩く勃ち上がった僕の股間に触れた。さっきのキスは溶けるかと思うくらい力が抜けて、下半身にグッときた。あっという間に股間へ熱が集まる。
これが夜だったら確実に先へ進んだと思うが、仕事が僕たちの理性をギリギリで呼び戻した。
「一緒にしよっか。洋ちゃんもズボン脱いで」
「…………うん……わたるくん……」
「……もうそんな顔しないで。抱きたくなるでしょ」
布団の中でキスをしながら互いに脱がせ合う。
ズボンの裾がもどかしく、最後は足で引っかけて下げると、2人の雄が顔を出す。
「洋ちゃんのじっくり見ていい?」
「こないだ見たじゃん。恥ずかしいから、また今度……」
以前、流れでキスをした時、順番に口で抜いたことを思い出した。
互いの亀頭をキスするように合わせる。こういうのは久しぶりだから恥ずかしくて、でもむず痒いような愛しさが後から後から溢れてくる。
「あの時は夢中だったけど今は違うよ。次はゆっくり見せてね。暗闇でも十分男らしくて格好良いよ」
渉君が僕に覆いかぶさり、重ねて扱き始めた。先から出る透明な粘液が2つに絡まり、潤滑油の役目をする。にちにちという卑猥な音がさらに興奮した。
「はぁ……ぁ…わたるくん…きもち…い……」
互いの腰が自然に動く。
下半身はぴたりとくっついていた。
ギシギシとシングルベッドが軋む音がする。
「ようちゃん……おくち……ちょうだい」
「…………ぁ、ん……ふう……」
赤い舌が僕の唇を舐めあげて、吸いついてくる。渉君の熱いものが僕のに触れて擦れて、快感が生まれ、早くなる動きは止められなかった。
「ああ、イく。出そ……ぁぁっ」
最初に射精感が来たのは僕だった。
「まだだめ。もうちょっと待って」
渉君が僕の根元をぎゅっと握り、裏筋同士を擦り合わせた。
「やだ……出したいってぇ」
「一緒にって約束したでしょ」
ぐいぐいと先っぽを刺激されて身震いがした。めちゃくちゃ気持ちがいい。
少しして、根元の手が外され手と腰が早く動き、ビクビクと痙攣して一緒に果てた。
下になっていた僕の上衣に2人分の精液が飛ぶ。
それを見てお互い顔を合わせて笑い、キスをした。
久しぶりに湧き上がる胸いっぱいの愛しさに涙が出そうになった。
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