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第131話 2人のルール8
(大野語り)
この人は本当に俺を酔わせる。
なごみさんに赦(ゆる)されて、優しさに包まれると、また涙が出そうになる。俺ってこんなに涙腺が弱かっただろうか。
初めて触る白い素肌は、吸い付くように滑らかだった。ずっと触りたくて仕方がなかった身体は、思った以上に扇情的で俺を興奮させた。
上着を剥いで、上半身を露わにする。
少し前から始めた水泳のお陰なのか、抱きしめた時は華奢かと思っていた肩は少し筋肉が付いていた。
指先で鎖骨をなぞってみる。するりと指が滑り胸の間を降りてゆく。無駄な肉が付いていない、均整のとれた、しなやかな身体だ。
俺より肩幅も背も小さくて、ちゃんと男性の身体なのに、すごく綺麗だ。
「……綺麗ですね……」
「大野君……見過ぎ。綺麗とかあり得ないし。恥ずかしいって。僕の身体は貧弱だから…萎えちゃうよ」
なごみさんが恥ずかしそうに、俺をゆるく小突いた。萎えるどころか、この可愛い顔をもっと歪めたい衝動に駆られる。
「あの、ベッド行きません?」
「…………うん……」
こくん、と頷いたので、手を引いて隣の部屋に連れて行った。1人暮らしには大きなセミダブルのベッドだ。薄い空色のシーツがなごみさんらしい。
「さっき萎えるって言いましたけど、俺……もうこんなですから」
固くなった股間を横になったなごみさんの太腿に擦り付けた。途端に赤くなる顔に、キスの雨を降らせる。
徐々に首筋や鎖骨へ目立たないように注意しながらキスマークを付ける。
『俺のものだ』という印は他人に対するものではなく、自己満足のためにあると思う。
吸うたびに心のザワつきが収まっていく。
俺の大切な人だから、印をつける。
正直、女性としか経験がなかったので、やり方は調べたものの、身体が反応するか自信がなかったが杞憂だったようだ。
俺のモノは痛いくらいに主張していて、本能がなごみさんを欲しがっていた。
やがて唇は胸の突起に辿り着く。白い肌に馴染むようなピンク色のそれは少し立っていた。
周りに舌をくるりと這わせれば、甘い声が漏れた。
俺の愛撫に反応してくれた。もっと気持ちよくなって欲しいと、今度は中心を舌で潰し、舐めながら吸う。なごみさんは、ここが好きみたいで、反対にも刺激が欲しいと突き出して俺に擦り付けてきた。そんな予想もしないお強請りに俺は嬉々として対応する。
片方は指で摘んで強めに引っ張った。
「んっ、ぁ……ぁぁ、おおの、くん……」
喘ぎ声の合間に呼ばれる名前は、なんて卑猥なことか。それだけ聞いていても達してしまいそうだ。
どうしよう。
好きが溢れて止まらなくなる。
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