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第133話 2人のルール10
(なごみ語り)
大野君は、今まで愛のあるセックスをしたことがないのかもしれない。
本気で好きな人を抱いたことがないのかな。
なんとなくそんな感じがした。
彼の反応がいちいち新鮮で、その度に胸がきゅんと愛しさに包まれる。
大野君の好きにさせてあげたい。甘やかせて、彼の全てを受け止めたいと思った。
僕が精液を躊躇わずに飲むと、彼は驚いた後、挑発的な表情で僕を見た。肩がはあはあと上下している。匂い立つような雄の香りに下半身が疼き、早く彼のもので満たされたいと感じた。
「男同士はここを使うんだよ」
自分の後ろを指差し、下着の上から撫でた。実は、会う前にシャワーを浴びて、ある程度は慣らしてあった。同性同士だと厄介な解す作業がある。面倒なことは省きたかった。
「知ってます。ちょっと調べました。あの…俺が挿れる側でいいんですか?」
「勿論。挿れてみる?大野君のも元気になったね。すぐできそうだ」
彼のモノは、さっき出したばかりなのに薄明かりの中でもしっかりと天を向いていた。
お互い下着をとり、向かい合わせのまま自分の股間にローションをかけた。少しひんやりする。久しぶりに雄を受け入れるそこは、自分で慣らしても狭かった。
大野君のを挿れたら相当痛いだろうが、全然平気だ。愛があれば大丈夫。
ゴムを付けてあげると、キスをしながら大野君をゆっくり僕の後孔へ導く。
緊張してどうにかなりそうだった。
「っはぁ……大野君、ゆっくり……うん、そう…おっきい……全部、挿れて……じょうず……はぁ……ぁぁぁ……」
「痛くないですか……くぅっ……すごい、締め付け……」
ぐいぐいと挿ってくるモノは、思ったより大きくて質量がある。久々に感じる圧迫感だ。
思った通り下半身に鈍い痛さが走った。
「ちょっと馴染むまで、そのまま……ね。大野君の全部入った。分かる?」
キュッとお腹に力を入れて締めると大野君の眉間に皺が寄った。動きたくても、僕に待てをされて、従順に我慢しながら静止している。
横になった僕は大野君を足に挟み、抱きつく格好で大野君を受け入れていた。
2人の間にある僕のものが挟まれて勃っているのが恥ずかしい。痛くても僕のも全く萎えていなかった。
「っく……なごみさんの中はあったかくて気持ちがいいです……あの……なごみさん、大丈夫ですか?俺ばっかりで」
赤い顔で大野君がしょぼんとする。
もう、こういう所が堪らなく好きだ。
君が快感に震えているだけで僕は幸せなのに。
「じゃあ、これから大野君はいっぱい腰を動かして、僕を気持ちよくさせてくれる?君次第で僕もイケるから」
舌を伸ばしキスをねだると、屈んで大野君も舌を出してくれた。ちゅくちゅくと始まりの合図のような長いキスをする。その間もゆるりと腰は動いていた。
温かい波の中で、ふわふわと浮いた感覚に包まれている様だ。
「了解です。じゃあ……動かしますよ」
「うん。最初はゆっくりして」
社交辞令で〝気持ちよくして〟と言ったつもりだったのだが、実際大野君の腰使いは強くて、深い奥まで突いてきた。
見上げた彼の顔がカッコよくて、その腕に抱かれることに惚れ惚れするのだった。
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