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第145話【番外編】10年越しの約束10

(東語り) 認めたら、面白いくらい心が楽になる。ふわふわと浮いているみたいだ。 後ろ向きで枕に突っ伏したまま白勢さんの昂りを受け入れる。散々解されたそこは、トロトロで柔らかく敏感になっていた。 突き出されたお尻を両手で広げて耐える。 「………しらせ、さん……ぁぁ、ぁ……」 狭い道を拡げて入ってくる感覚が、ぞくりとした快感に繋がった。 もっともっと奥に白勢さんが欲しい。 「……締めないで、深呼吸して。もっと突き出してごらん……ん……入った」 自分の芯から汁が滴り布団を濡らして染みを作っている。気持ちが良くて、腰が勝手にピストン運動に合わせるように前後へと動いていく。 白勢さんが奥へ奥へと侵入し、後ろから俺を抱きしめた。そして首筋へ食いつくように甘噛みをしたので、突然の不意打ちに身体がしなるように反応する。 「……ひやぁ、あ、や、もう……なに?」 「ごめん。つい可愛くて。征士郎……好きだよ。俺を受け入れてくれて、ありがとう」 何度も好きだよ、と言いながら、身体は後ろから抱きしめたまま抽挿を繰り返す。 こんなに甘いセックスがあることを知らなかった。快楽だけでなく、身体の底から歓びが溢れてくる。 俺も……同じ気持ちだった。 白勢さんは手が寂しくなると乳首を弄るのが癖みたいで、常に突起を弾いたり引っ張ったりしている。そのせいでかなり敏感になっており、俺の身体が徐々開発されているようで、羞恥に頬が染まった。 くるりと回転させられて抱きしめ合った後、腰を片手で固定され、片足を担がれた。 俺のものも腹に付きそうなくらい天を向いている。 「先に謝っておく。もう戻ることはできないから、覚悟しといて。あと、逃げるなよ。腰が引こうが止めない」 「………………ええ、分かってます」 真剣な眼差しに思わず見惚れていると、ズンっと思いっきり突かれた。いい所を掠めながら、力強くグラインドする。 「……あ、はぁ……んん………」 「腰、引くなって……こっち、だよ、」 快楽から逃げるように腰が後退してしまうと、すぐに戻されて再び動きが再開する。 口はだらしなく喘ぎ声を発し、閉じることが出来なかった。結合部はぐちゅぐちゃといやらしい音が絶え間なく続いている。 自身の分身からも白いものがだらだらと出ていた。射精のような一気に達するものとは違う。何か凄いものが来る予感がしていた。 「……し、ら、せっ…さ……きもち…い…」 「うん。征士郎の、なか、最高……ん、イきそかな?……中が細かくうねってるよ……」 これがイく……?奥がじんじんする。俺の中で白勢さんのモノが擦れて擦れて、熱い。 頭がおかしくなりそうだ。 彼の動きが更に早くなり俺を突き上げる。 迫り来る得体の知れない波が急に怖くなり、思いっきり抱きついた。 「……どうした?いいから……イッてごらん……征士郎、大丈夫だから。」 くしゃっと優しく撫でられたのと同時にそれはやってきた。 「……はぁっ、ん、ん、ぁぁッ…」 四肢がびくんと跳ね、身体中で快感を受け止める。 しばらく放心状態だった。 何これ……すんげー気持ちいい……… ぞわぞわと全身に鳥肌が立つ。 白勢さんは目を細めて俺の様子を観察した後、甘美なキスをくれた。 俺は、生まれて初めてドライというものを経験した。仲間うちで都市伝説的にあるのは知っていたが、まさか自分の身に起こるとは思ってもいなかった。

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