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第216話円と渉7
(円語り)
ラブホではないので、男2人が家の湯船で繋がるのには限界があった。
渉さんが俺に乗って動くことは不可能だ。激しくしたら風呂桶にヒビが入ったなんて話もよく聞く。自分で言うのもなんだけど、人より鍛えているため、俺の腕や胸は厚い。1人でもキツイ位だった。
軽く身体と髪を洗い、お湯を落として急いで風呂を出た。待ちきれなくてバスタオルに包まれた渉さんとキスを交わす。
唇を吸いながら渉さんが手で扱くので、俺の息子は限界まで膨らんでいた。力の抜き方が絶妙で快感に悶えてしまう。
それにこの人はキスがすごく達者だ。文字通り骨抜きにされそうになる。
かっこよくて、際限無く可愛い。
「キツそうだから、1回抜いとこっか。挿れて直ぐイかれるのも僕的に嫌だしなー。失礼」
渉さんの口がちゅ、ちゅ、と下へ下へ下がっていく。マックス状態で天を向いている中芯を口に含み、顔を素早く動かした。
「あ、あ、もう……すぐ出そう……きもちい……」
「んっんっ………う……」
自然と動いてしまう腰を出来るだけ制して必死で耐える。奥へ挿れると気持ちいいが、渉さんが苦しくなってしまう。そんな気を遣っていると、目配せした彼が一気に喉奥で締め付けてきた。
それは卑怯な訳で、俺は成す術もなく果てた。
精液を全て飲まれた後、ちゅぽん、と音を立てて口から抜かれる。鈴口に残りを見付けて、赤い舌で舐め取る姿がいじらしくて見惚れてしまった。よしよしと濡れ髪を撫でると、目を細めて渉さんが笑った。
そんな笑顔を見せられたら下半身が疼くのは当然でなのである。
「……ぁっ……ぁ……ぁっ……まどかくん、もっとおく……ちょうだい……優しすぎ。僕が上に行くから抜いてよ。お風呂から騎乗位の気分だったんだ」
「え、これ以上……?十分挿ってるけど、渉さんの明日が辛くなるかもしれない……」
ベッドへ移動し、バックで優しく突いていたら、もっと欲しいと不満そうに言われた。体の負担を考えても空振りに終わる。腰を痛めた立ち仕事は物凄く辛いだろうに、明日は大丈夫なのかな。
「その顔……大丈夫だって。僕を誰だと思ってんの。鍼灸師だよ。なんとかなるから、思いっきりやろう。こっち…………ぁッ……いい、奥……来たぁ……ん、ん、きもちい……まどか君も、下から突いて……ぁッ……」
挿っていたモノを抜いた途端、押し倒され、渉さんが上に乗って来た。ローションが擦れた水音と荒い息遣いが辺りに響く。
器用に腰を前と後ろに動かして、自ら音を立てて感じていた。まるで自分が犯されているような気分になる。
いちゃいちゃセックスの気分が、突然ガッつかれて戸惑っていた。しっとりと快楽に濡れる渉さんが見たかったが、こっちでも十分に興奮している。
「待って、渉さん。ふぅっ、ゆっくり、しようよ」
「…………待たない。気持ちよくなりたいもん。ゆっくり、まったり、好きだよーっていうのはまた今度ね」
手をしっかり繋いで、互いの腰をぶつけ合った。半ばヤケクソになって渉さんの奥へムスコを送る。次第に気持ち良さだけを追うようになり、乱れる渉さんを熱を持った視線で追った。
こうなってくると、負けたくない。
「……渉さん、愛してる。はぁ、締めないで……キツい」
「………ぼくも……愛してる……おっきいのも……あ、だめ……」
渉さんのモノから液が滴り、糸を引いて俺の腹に雫が落ちた。
いよいよ下半身に熱が集まり、白濁が渉さんの中で爆ぜる。同時に渉さんも絶頂を迎えたらしく、ナカがヒクつきながら、何度も収縮した。きゅうきゅう、と締め付けられる。
痙攣した渉さんがこちらへ倒れたのち、蕩けるようなキスをくれた。
好きな人とのセックスは最高に気持ちがいい。
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