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第241話リバーシブルしませんか3
(円語り)
ちょうど6年前、20歳の頃に1度だけ掘られたことがある。まだ開花していなかった自らの性を迷走させた結果、行きずりのサラリーマンと関係を持った。その経験からタチに行き着くのだが、今更ながら後悔している。
あんなサラリーマンとやるなら渉さんまで初めてをとっておいた方がよかった。
いつものようにベッドで深いキスを交わす。
渉さんは俺のやりたいようにやらせてくれる。こんなに気が利いて優しくて大人な人を見たことが無い。
「どれくらい後ろは使ってない?」
「……6年前に1回だけ……」
「大丈夫。怖くないよ」
子供のように額へキスを落とされる。渉さんは何でもお見通しなのだ。実は初体験が散々だったため後孔は封印していた。忘れていた記憶が蘇る。
「怖くないって。俺から言い出したことだし」
「でも身体が強ばってる。リラックスして」
「ん…………ぅ……」
最初はゆっくりと、徐々に舌が深く入ってくる。息継ぎを与えて、俺が安心するように頭を撫でたり、手を握ったりしてくれた。
渉さんが好きだという胸の突起も、引っ張られたり押されたりして赤く膨れる。散々調教されて、ここは渉仕様になっていた。
「円君は胸筋が立派だから、ここが本当に色っぽい」
ピンっと指で弾かれて、電気が走ったような感覚に背中が跳ねる。
「……そう…………?」
「すっごく綺麗だよ。扇情的で興奮する」
絶対に綺麗な訳がないのに、渉さんから褒められると、その気になってしまうから不思議だ。
性感帯を刺激されれば中芯も固くなる訳で、徐々にキスが下半身へと移り、艶っぽい眼差しで渉さんが俺を見上げた。
「本当は円君の逞しい身体を抱いてみたいと思ってた。君は後ろに抵抗があるみたいだし、仕事に影響したら申し訳ないから、言い出せずにいたんだ。こんなに魅力的で締まった身体を見下ろしたらどんなだろう、挿れてみたいなって。僕も男だから……」
そして、下着を下げ、顕になった俺のモノを躊躇無く咥えた。リズミカルに上下する口内にたちまち射精感が上がってくる。
「……きもち……い……」
「まだイかないでね」
途中で赤い舌を出して、先っぽを丁寧にちろちろと嬲れたため、鳥肌が立つ。
「あぁ…………ん、むり……」
「無理じゃないって。園児さんには、頑張れって言うでしょ。円先生が頑張らなきゃどうすんの」
園児さん……俺は今は先生じゃない。
渉さんだって先生のくせに。
下腹部に力を入れて、イきそうなのを堪える。太腿が軽く痙攣した。
「次は力を抜いて、前に集中してごらん。後ろを解すよー、いい子。じょうずだねぇ、まどか先生」
ローションを纏った指が後孔へ優しく挿ってきた。違和感が半端ない。この感覚、久しぶりでも好きじゃない。
愛する渉さんの指でも異質感は拭えなかった。
「い、たい…………」
「痛くない。だんだん気持ちよくなる」
足を広げた俺の下半身にぴったりと顔を寄せられているので、羞恥で顔が赤くなる。痛がっても恥ずかしがってもやめてくれるような雰囲気ではなかった。渉さんは完全に楽しんでいる。
裏筋へ大胆に舌を這わせる寸止めの刺激に加え、後ろは2本指を咥えていた。美味しそうに俺のモノを舐める渉さんは可愛いなと、違和感に耐えながら思う。
「……っぁ…………なんか、へん……ぁ、ぁ……」
入口が指の腹で広げられるのが、堪らない。くに、くにっと指からの快感が下半身に拡がる。
「わた、るさん、出……あ…………っ」
直接的な刺激無くして、シーツへ白濁液が飛ぶ。
渉さんの顔を汚さなくて良かった。
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