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第242話リバーシブルしませんか4
(円語り)
「結構飛んだね」と、渉さんが嬉しそうに言う。指が抜かれても後ろの違和感が消えることは無かった。
ここにもっと太いものが入るんだ。
目を落とした先に、明らかに先ほどよりも大きくなった渉さんの股間があった。それを見ていると、身体が熱くなってくる。
「どうだった?ここで止めても構わないけど」
「止めたらどうすんの」
「いつもの通り僕がネコになってもいいよ。あ、もしかして、気分がネコに染まっちゃったかな。今からタチをする選択肢は無かったりする?図星でしょ」
「…………まあ……うん」
後ろを弄られて、挿れられる気満々なのだ。違和感があるにもかかわらず、俺は渉さんに組み敷かれたいと思ってしまう。今さら挿れる側には回れなかった。
それよりも何よりも渉さんは格好が良く、惚れ惚れする。渉さんになら、挿れられても構わない。
「円君、やらしいなぁ……僕の股間をさっきからずっと見てるでしょ。そんなに欲しい?」
「…………欲しくなってきた……」
今までは逆に言わせてたようなセリフを、渉さんはいとも簡単に俺から引き出した。とても余裕な恋人へ従順になってしまう。
「じゃあ、ゴム着ける前に舐めてもらお」
「はい」
「すっごく素直じゃん」
今度は座った渉さんの膝の間に俺が入り、丸くなってフェラをした。自らの身体の熱さの正体が分からぬまま、口で愛撫を開始する。
「まどか、くん……こっちにお尻向けられる?」
「ふぇ……?」
「シックスナイン。今更恥ずかしがらなくてもいいでしょ。逆はよくやってる」
「………………」
言われた通り身体を回転させる。俺の穴は渉さんに丸見えだ。渉さんの指が割れ目を辿って、ナカを擦りながら後孔に強く刺激を加えてきた。
立てていた膝に力が入らなくなり、喘ぐのが精一杯になる。指なのに、柔らかくて、優しくて、ゆっくり高みへ連れてってくれる。
「ぁぁっ……それ、だめ……」
「お尻、気持ちいい?」
「やばい。きもちい、い……ぁんっ、もっと」
「素直な子は好きだよ」
「……俺も、渉さんが、すき……」
「ありがと。円君は後ろが好きな方だとは思ってたんだ。毎日マッサージしてるでしょ。気持ち良いところがお尻の方に集中してたし、トラウマさえ無ければ、絶対にネコだったと思う。もう口を離していいよ。僕も限界……」
肩を叩かれたので、疎かになっていた口を離す。全くもっていつものような口淫ができなかった。
「渉さん……欲しい。俺のナカに渉さんの熱いやつ、早く挿れて……」
「急がないで、分かってるって。今の君は誰よりもいやらしいよ」
正常位で欲しかった俺に、初心者は横向きだと、身体を倒された。
思考のネジが飛んでいるのか、慣れている行為にすら初心者みたいで訳が分からなくなっていた。
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