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第243話リバーシブルしませんか5
(円語り)
温かい窄まりに、潤滑油が熱で蕩け出し、尚且つ温かいモノを挿れられて気持ち良くない訳がない。文字通り、ドロドロに溶けてしまいそうだった。
渉さんは、セックスがとても上手い。
相手を見ながら、欲しいものをチラつかせて焦らした後に、有り余るほどの快楽を与えてくれる。
身体の入れ方も絶妙だ。押さえつける訳ではなく、安心という身体の温もりが常にあった。
「まーどーかー君、こっち向いて?」
「あ……ぁ、ぁ……ふぁ……」
抜き差しされてる音がいやらしい。いつもならそれに優越感を感じるのに、今日は羞恥で聞くに耐えなかった。五感全てを渉さんに支配されている気分だ。
「気持ちいい?」
「うん……ぁっ……ん……すき」
「良さそうだね」
クッションを抱き抱えた俺に、渉さんが前屈みになってキスをくれた。当然奥まで挿ってくるモノの刺激に悶える。
夢にまで見たリバは、夢如きでは終わらず、それ以上のものを与えてくれた。お尻がこんなに気持ちがいいとは知らなかった。いや、渉さんに抱かれることが幸せと気付かせてくれたのだ。
「円君のナカ、すごくいいい」
「っほんとう……?」
「本当だよ。君が嫌じゃなければ、また抱かせて欲しい。あ、イキそ……」
「渉さん、前、からがいい」
「僕もそう思ってた」
一旦抜いて向き合い足を拡げる。
再び迎え入れた時、渉さんの質量がグンと増えていた。
「円君、ありがとう……僕を受け入れてくれて」
「そんな、俺の方こそ……ぁっ、ぅ……ぁん……」
喘ぎ声がキスで消される。
『好きだよ』と何度も耳元で囁かれ、それが『愛してる』に変わった頃、渉さんが絶頂を迎えた。
俺は必死に抱きついて快楽に耐える。
何度イったのか、どれくらい経ったのか、よく分からない。俺は、目の前の愛しい人を惚れ惚れして眺めた。
「渉さんは物凄く格好良い」
「これでも格好良くなろうと努力してるからね。どうだった?念願のリバーシブルは?」
ずる……とナカからモノを抜き、後処理を始める。後孔が名残惜しそうに疼いた。
俺は起き上がって、渉さんの背中に寄り添う。そしたら、渉さんが申し訳なさそうに照れ笑いした。
「もっかい、したいかも。勃っちゃった」
「えええっ!!今から?」
「うん……ごめんね」
こうして、俺の願いは叶い、世界はグンと広がる。
俺の知らない渉さんはいなくなった。
【END】
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