** 宣戦布告をしてから俺はあらゆる手段で二宮を落としにかかろうとした。 うん、かかろうとしたんだ……。 朝教室で待ち伏せしようとしたら、 「二宮？アレ、さっきまでいたと思ったんですけど…。」 昼ごはんを一緒してやろうと教室を覗いたら、 「二宮くん？さっき出ていったけど、会いませんでしたか？」 放課後に同じく教室に顔を出せば 「二宮なら用事があるとかで帰りましたよ。」 ．．．．．．。 広いとはいえ同じ校舎内だぞ！？なぜ会えない！？ 避けるにしても完璧すぎやしないか！？ここ数日顔も見てないし声も聞いてないぞ？！ 隠密行動カンストしてんのか！？アサシンか？！クリードか？！ダイブしちゃうのか！？ ．．．．．コホン。 そして本日、二宮が編入してきて2週間目の、週末金曜日。授業も終わり部活へ行くもの、寮へ帰るものがぞろぞろと出ていった放課後。 人気の少なくなった昇降口で上履きを脱いでいる二宮を見つけた。 ふっふっふ、やっと見つけたぞ。 ここで会ったが2週間目、今日こそ華麗に声をかけて 『あ、阿佐ヶ谷(ﾄｩﾝｸ)』 な貴様なの乙女顔を拝んでやろうじゃないか！ …っと危ない。二宮を見つけたことにテンションが上がってしまった。 声をかける前に靴箱横の鏡で髪型を確認…むむ、ちょっと前髪ハネすぎだな、なおしなおし…うん、今日も完璧。さすが俺様だな．．． ハッ、そんなことしてる間に二宮が外に！