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信頼出来る仲間たち
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何とか阿佐ヶ谷を撒いて部屋に戻ってくると、リビングのほうからいい匂いが
「ただいま。」
「お帰り、剣。」
金髪ウエーブのかかった髪に青い瞳、整った顔立ちに長身で耳に心地いいテノールに紺色のエプロンが良く似合う。
俺のクラスにいるカマっぽい連中がここにいたら黄色い悲鳴が上がっていたことだろう。
俺と同室になった3年生『言峰紡(コトミネツムグ)』はスパダリ(?)系のハンサム男だ。
「その疲弊ぶりから見るに、近くまで来てたの?あいつ。」
「えぇ、まぁ。」
「また部屋までついてくればよかったのに。そしたら、」
あぁ、ついでにこの人の阿佐ヶ谷に対する執着心は、俺に対する阿佐ヶ谷の執着心よりもすごい。
「ヒンヒン啼かせて、壊れるまで遊んでやったんだけどな。」
なんでも、大事な人を盗られた挙句ポイ捨てされたらしい。
「泣いて許しを乞うのを笑って流して、二度とヤれない体にしてやりたい。」
といっていたこの人の目はマジだった。本気と書いてマジだった。
殺気というか、怨念というか、なんだろう。こうもっとドロドロしたものが渦巻いていたと思う。
その恐ろしいものが隠し切れていないから、前に阿佐ヶ谷がこの部屋に特攻を仕掛けてきた時は先輩のその負のオーラを感じ取ったらしい阿佐ヶ谷が即ドアを閉めるという結果が手に入った。
できることなら一緒に登下校したいくらいだが、彼もまた3年の特進クラス。
成績優秀将来有望な生徒だ。3年とは時間割が合わない。
阿佐ヶ谷よりも言峰先輩の方が断然いい男だと思うんだがなぜやつがキングなどと呼ばれてもてはやされているのだろうか。
家柄か?
「剣、ロールキャベツはトマトソース派?コンソメ派?」
「特にどっちが好きってわけじゃないですけど、今日はあっさりしたもん食いたい気分なんでコンソメで。」
正直どっちでもいいが、
『どっちでもいい』
が1番面倒なのはよく知っている。
だからはっきり、気分で答える。
晩飯は基本先に帰った方が作ると決めたが、なんだかんだと理由をつけて言峰先輩が作ってくれている。
将来はレストランをチェーン展開したいとかで今料理を勉強してるとかなんとか言ってたけど、経営陣より作る方が向いてるんじゃないかとも思う。
とりあえず着替えて、先輩が料理してるうちに風呂沸かそうと寝室のドアノブに手をかけるとインターホンが鳴った。
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