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第3話
胸が締め付けられるような感覚がした
とうとうこの日が来た
カチャ
「……はぃ……」
扉を開けた目の前には大きな大きな犬
正しくは獣人さん
隣には大家さんと猫の獣人さんも居た
「……Ωか」
「そのようです」
「この子両親を無くして、お情けで置いてやってましたが全く働かずで家賃も払わないんです」
狼さんの鋭いはちみつ色の目がじっと僕を見つめる
「…よし、こいつでいい
申し訳ございませんこの子が滞納していた家賃はこちらが持ちます
この件に関してはこちらで型をつけますので心配なさらず」
「お願いしますね
こちらに住んでる方達からも早く追い出すように言われてるんですから」
全く意味がわからず立っていただけで話が進み大家さんがその場を去る
狼さんと猫さんがこちらに向き直ると猫さんがグイッと腕を上に持ち上げてくる
「臭いですね
結構な人数の男の臭いです」
「だろうな
おい、お前橋本ユウキだったな」
「は、はい……!」
腕を持ち上げられたまま狼さんの顔が近づいてきて汗が吹き出る
αさんの前だと怖い……
「良かったなΩで。
今日から俺の番だ」
「え…」
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