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第5話
その言葉にフォスの眠気は吹っ飛んだ。冗談で言っていたつもりだったのに、あのサージュからこんな言葉が飛び出すなんて。もっと苛めてやろうかと口を開けたが、恥ずかしそうにフォスの服を握り、真っ赤になっているサージュが、面白いくて、サージュにとって恥ずかしいであろう言葉を言えただけで今日は許してやろう、とフォスは笑った。
「…いい子だな。いいぜ」
フォスはサージュの頭を撫でてから、先程から腰掛けていた椅子にどかりと座った。
立ちながら戸惑っているサージュにフォスは手招きをして、フォスの座っている足の間の位置に、床に座れと合図した。
サージュは戸惑いながらもそれに従い、ゆっくりとフォスに向かって正座した。
その戸惑いながら、小さく縮こまる姿が妙に可愛く映って
フォスは自分の眠気もそろそろ限界を突破したと感じた。普段可愛げの欠片も感じないサージュがこんなに可愛いと感じるなんて。
「さぁ…サージュくん?どうぞ」
フォスは自分でズボンの結び目を解き、下着も一気にずらし、己のものを外へ出した。この異様な雰囲気にフォスのものは少し反応しているようだった。
はじめて目の前で見る師匠のものに、サージュはまじまじと見つめ、どうすればいいと問うようにフォスを見上げた。
「お前…寝てる間に抜く予定じゃなかったのかよ?」
そんな目で見られても…と呆れたように呟くとサージュは気まずそうに俯いた。
「…自分がやっているようにすれば…出るかと…」
あの真面目なサージュが自慰している姿など想像もつかないが、こいつも一人でやるのか…とフォスは面白くなってきたと笑いがこみ上げてくるのを必死に隠した。
「じゃぁ、その一人でやっているように…どうぞ」
サージュは一度戸惑うようにフォスを見上げて、恐る恐るフォスのものに手を伸ばした。
何度か手を上下に動かしたが、フォスのものは変化せず。
「そんな嫌々で手ぇ動かされてもピクリともしねぇよ?サージュくん?」
「……っ」
サージュは少し腹のたった顔をして、あの薬ビンに入った液に手を伸ばした。
「え?お前、一人の時もそれ使うの?」
「使ったことありません!」
「んなもん師匠に使うな!」
フォスは急いで薬ビンを取り上げて、机に置いた。サージュは次の手を塞がれて、詰んだ…という顔で俯いている。
「お前ねぇ…村で春売りくらい行ったことあるだろ?」
春を売るというのは言葉通り、一時期の春を売る。つまり、風俗の事だ。本番行為をするものから、ただ抜くだけのものなど、行為の種類はあれど、成人男性なら一度はお世話になったことがあるはずだ。
しかし、サージュは半ばヤケなりながら真っ赤な顔で言った。
「ありません!」
「お前…まじかよ…」
フォスは予想外…いや、サージュならありえるか…と唖然とした様子で股の間で恥ずかしそうに小さく正座をして縮こまる弟子を見つめていた。
「あーまぁ…いいや。じゃぁ、サージュ?咥えてみ?」
「は…?」
くわえる?何を誰がどう?全てが疑問だと言わんばかりの表情にこいつは誰かに仕えて警備など全く向かないと悟った。
顔に出しすぎ…と笑いながらもサージュの頭を撫でて、顔を近づけた。
「俺のものを、サージュが、口で咥えるの」
「なっ…にを…」
まだ、何かに言いたそうなサージュを強引にフォスは自分の股間の間のものに顔を近づけた。今にも口がつきそうな位置にサージュの顔は引き攣る。
「お前ねぇ…いくらなんでもその顔は傷つくわ」
「…すみません…」
「…俺の飲みたいんでしょ?じゃぁ…頑張ってみ?」
「…」
サージュの頭の中は色んな葛藤があったのだろう。何度か口を開けては閉じを繰り返し、ついにフォスのものを口に含んだ。
「んっ!」
初めての味と臭いにサージュは一瞬つらそうな顔をしたが、すぐに止まって、諦めたように舐め始める。
あの真面目なサージュがフォスのものを舐めている。その姿だけで、フォスは少し興奮してしまった。
普段、堅物な弟子が…夜の姿など想像もつかないあの弟子が…。遊んでそうな子が初心だとか、真面目そうな子がエロいとか普段の姿から想像出来ないような姿を見せられると興奮してしまうというのは男性にも有効のようだ。
今まで後腐れのない、慣れている子ばかり手を出していたので、こういう純朴な奴というのは…なかなか…とフォスはサージュを見つめていた。
フォス自身も男相手は初めてだし、これは筆おろしと言っていいのか?などと下らないことばかり考えていた。
そんな事に頭が占められていたので、気がつけば興奮は少しずつ収まっていき、サージュの拙い舌使いも単調で自身が萎んでいた。
「お前…それでどうやってイかすつもりだったんだよ…下手くそ」
サージュは悔しそうに下から睨んでいる。
「作戦を立てる時は己の力量をちゃんと把握しろ。何事においてもな」
「…はい」
サージュは暗く返事すると、これ以上無駄だと踏んだのだろうフォスのものから口を離した。
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